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<title>いがらしみきおの映画ゾンビ</title>
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<description>いがらしみきお入魂の超絶映画日乗</description>
<language>ja</language>
<copyright>Copyright 2007</copyright>
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<title>インランド・エンパイア</title>
<description><![CDATA[<p>8月はお盆ですのでね、家族を連れてちょっと東京へ。久々の家族旅行です。それで、子どもに行くところを決めさせたら、原宿とアキバだと言う。少し文句を言いましたが、ここ1年以上はどこにも連れて行けなかったので従うしかない。ワタシとしては「家族で新幹線に乗りたい」というのがささやかな望みでした。しかし、そんなささやかな望みは行きの新幹線で早々と達成されてしまい、トーキョー、トーキョー、終点でーす。これからワタシはなにをすればいいの？と思っていたら、東京、まったく暑い。8月の東京は燃ゆるようですのす。<br />
とにかくホテルへ直行。名前は出さないけど、いいホテルです。あのくだらないシャワーカーテンというものがない。ウチの嫁さんはホテル好きなので、どこに行くでもそれなりのホテルじゃないと納得しません。ルーム・サービスで昼飯を食べると、嫁さんと子どもは原宿へ。ワタシまでついて行くと二人ともいやがるので、携帯で映画を検索してみたら、リンチの「インランド・エンパイア」をやっている。というか、時間的にそれしかなかったので、ひとり恵比須へ。<br />
「インランド・エンパイア」は、リンチのリンチによるリンチのような映画らしいので、あまり興味はなかったんですが、やっぱり寝てしまいました。隣のおねえさんなんかもっとひどい。はじまる前から寝てました。あははは。<br />
というわけで途中で出て来てしまいましたが、こんな映画に超満員、東京は異常です。まぁ、みんなリンチが好きなのかもしれませんが、リンチが好きな人がこんなにいる都市はやっぱり異常だと思います。しかし、リンチは他に撮りたいものがなかったんでしょうか。たぶんなかったんでしょうね。<br />
この「映画ゾンビ」、お気づきでしょうが、最近はワタシの身辺雑記がほとんどで、映画について述べている部分が少なくなってしまいました。映画はもう語るものではなくなったと言えば、そのとおりなんですが、それは毎度同じく音楽も漫画もそうです。もしかすると小説も。それはたぶん我々はもうみんな呪いが解けてきたからでしょう。誰が呪いをかけていたかと言うと、映画であり、音楽であり、小説であり、漫画ですが。そして呪いが解けてくると、人は平気で人を殺すし、オカネ儲けに走るし、その辺に寝そべるし、人の言うことを聞かなくなります。では誰が呪いを解いてしまったのか、一口で言えばコンピュータです。そういう状態をガマン出来ない人が、美しい国とか、品格とか言い出します。ワタシもイヤですが、もう少し見守るべきだと思います。せっかく呪いが解けてきたんですから。呪いなんかなしに生きて行けるのなら、それが一番いいはずです。さて、人は呪いなしで生きて行けるのかどうか。<br />
えー、「映画ゾンビ」、今回でひとまず終わりたいと思います。これまで読んでくれていた方々に感謝します。近々、新しい企画をはじめますが、今度は述べてもしょうがないことを述べようかとか考えながら東京から帰ってきたのす。</p>]]></description>
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<category>サスペンス</category>
<pubDate>Fri, 31 Aug 2007 15:36:45 +0900</pubDate>
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<title>ゾディアック</title>
<description><![CDATA[<p>またまた取材に行くことにしました。ワタシの連載漫画の中で「ほやうどん」という料理を出したんですが、別件で検索かけていたら、地元宮城県で「ほや祭り」というものが7月にあり、その開催地には「ほやうどん」を出す寿司屋があるらしい。さらに近くのお店には、なんと「ほやラーメン」さえあるとか！<br />
ほやに目がないウチのスタッフは、「この前、ほやそばを自作してみました。うまかったですよー、ほーら、これがその時の写メです」、「ほや祭りのほやのつかみ取りってどんなもんですかねー、ねーねー、どんなもんですかねー」などと、ハヤル気持ちを押さえきれないのがアリアリで、超強力台風が近づいているというのに、スケジュールにぶっ込みましたよ、「ほや取材」。こうして梅雨のまっただ中、台風一過の奇跡的な晴れ間が広がった朝、我々は軽自動車3人乗り片道2時間の旅に出発したのす。<br />
ワタシのプランはこうでぃっす。昼頃、現地に着き、まずほやラーメンを賞味、腹ごなしに「ほやまつり」に出かけて、ほやのつかみ取りに挑戦！そしていよいよ本題のほやうどんへとなだれ込むぅ!!いやー、道さえ夏の日差しに白く輝いて、まるで夏休みに親類の家に泊まりに行く小学生のような気分でした。あははは。<br />
おぉーっ、海だっ海だっ、海が見えて来たぞー！人間というのは、なぜか海が見えて来ると盛り上がるもんで、2時間の単調なドライブの果てに見えて来た海で気分もアゲアゲ。この辺だろ、「ほやうどん」の寿司屋は、などと言っていたら、苦もなく見つかりました。しかも、その隣が「ほやラーメン」のお店らしい。オオーッ！驚喜しつつ、まずは「ほやラーメン」から。え？これが入り口？、ふつうの家じゃないの？入ってみたら、ばあちゃんがひとり座っていて、テレビ観ながら「地震たいへんだごだねー」とか、「今日はほやラーメン16杯目だよ」などと言いながら、どっこらしょっと調理場へ。というか、台所へ。我々が座ったのは、ちょうどトイレの前。スタッフＵの後日談で、「我々はトイレの臭いのするところでほやラーメンを食べていたのではなく、トイレの中で食べていたのです」との名言を引き出すこととなったのでした。味については…まぁ、いいじゃないっスか。<br />
そのあと「ほやつかみ取り」が出来るという会場へ行ってみたら、そんなものやってる気配がまるでなくて、ギョリュウなんたらいう化石とか飾ってあるのを見てうらぶれた気持ちになり、テトラポットの海を見ながら、さびしく腹ごなししておりました。そして気を取り直して、本命である「ほやうどん」へ。<br />
行ったら、いきなり「もうやってません」と言われ、真っ昼間っからビール飲んで赤黒い顔した地元のケンドー・コバヤシと清原を横目に、我々は海鮮丼のヤケクソ食いに走ったのでした。腹痛えー。田舎のバカー！グッスン。<br />
え？「ゾディアック」はどうなった？、アレはね…うん、もういいでしょー。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/08/post_114.html</link>
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<category>サスペンス</category>
<pubDate>Wed, 08 Aug 2007 18:35:02 +0900</pubDate>
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<title>サイボーグでも大丈夫（後篇）</title>
<description><![CDATA[<p>そして翌朝、パク監督が泊まっている銀座のホテルへ。<br />
なんでもブラピとかマイコー・ジャクソンとかも泊まるところらしく、田舎者には目の毒ですじゃ。控え室で待つ間、スタッフの人に、パク監督がワタシの漫画から影響をうけたことを示すエピソードを聞く。あまりのことなので聞いた途端に爆笑する。あまりのことなのでとてもワタシの口からは言えません。ぎゃははははははは。<br />
笑いながら待つこと20分、いらっしゃいました、天才パク・チャヌク!!おぉー、本物だ！本物だ！アンニョンハセヨー！パンガブスムニダー！<br />
竹書房の人から、「復讐者に憐れみを」で「ぼのぼの」のテレビアニメを無断引用されたことを、「最初にガツンと言ってやってください！」などと言われていたので、ホニャヘララ～と言ってみると、パク監督、その件はとても気にしてたみたいでした。いい人です。<br />
その後は、韓国語通訳の優れたお方と、日本語筆記通訳担当のＫ君のお陰で、対談はなんとか進行するも、ワタシはとっても舞い上がってたみたいで、「ワタシ」「ボク」「オレ」「オラ」などの一人称が混在する結果になりました。みっともないです。いやいや、「オラ」とかは言いませんでしたが。途中、「オールドボーイ」のイ・ウジン役のユ・ジテが、突然ドアを開けて乱入してきたので、日本人一同凍りついていると、パク監督と「おー、来てたのか」「はい、仕事で」「晩飯でも食おうぜ」「あとで電話します」ような会話が交わされ、ユ・ジテ、あっと言う間に退場。あー、びっくりした。ユ・ジテ、またピストルで自分の頭ぶち抜くのかと思いましたで。<br />
ひとまず対談をすませると、ランチをごいっしょしにホテルの外へ。行ったところはオバアで満員。オバア、うるせい！飯を食いながらどんな話をしてたかというと、パク監督も一人娘、ワタシも一人娘、お互いむずかしい年頃の娘を持つ父親として、身につまされる話とかしてましたです。ホテルに戻ると、サインを交換し、あぁー、なんとワタシは幸せ者だ、と思いましたよ。ひさしぶりにちょっと胃が痛くなりましたけど。あははは。<br />
「復讐者に憐れみを」、「オールドボーイ」、「親切なクムジャさん」と、世界の映画史に残る激烈復讐三部作を完結させたパク監督、今度は出来るだけ遠いところに行ってみたかったんでしょう。それが「サイボーグでも大丈夫」。これをしてラブ・コメだという人もいるかもしれませんが、予告篇を観たらみんなそう思うでしょうね。そして頭の中で「ははーん、あの線なのね」などと、あらまほしき映画を思い描くでしょうが、あなたの予断は一切覆されます。これはパク監督の映像を作り上げる力を思い知る映画です。こんなの作れるのは世界中で三人しかいません。「嫌われ松子の一生」中島哲也、「アメリ」ジャン＝ピェール・ジュネ、そしてパク・チャヌクっス。<br />
「サイボーグでも大丈夫」、ピもかわいい、イム・スジョンもかわいい、かわいいかわいい映画です。まさにギザかわゆるっス。パクさん、またどこかで必ずお会いしましょう。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/07/post_113.html</link>
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<category>ファンタジー</category>
<pubDate>Thu, 12 Jul 2007 19:02:18 +0900</pubDate>
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<title>サイボーグでも大丈夫（前編）</title>
<description><![CDATA[<p>めずらしくまた東京でした。今回は「オールドボーイ」で知られる韓国のパク・チャヌク監督と会うためです。新作「サイボーグでも大丈夫」のプロモーションで来日するので、ぜひ会ってもらえないかとの話を受けたんですが、編集者とか広報の人というのは、時として、片方には「あの先生があなたをとてもヒイキにしていて会いたがっている」、また片方には「昔からの先生の大ファンだそうなので、ぜひ一度会ってやっていただけませんか」などと方便を言っては、無理々々としたセッティングをされてしまうことがあるので、今回もその線なのではないかと疑ったんですが、パク監督は「復讐者に憐れみを」で、「ぼのぼの」のテレビアニメを挿入していたことは、この目で観て知っているので、あながちデタラメとばかりも思えない。そしてなにより、ワタシがパク監督の大ファンだというのはまちがいないので、ノコノコ行きましたよ、東京へ。<br />
なんか最近こればっかり言ってますが、ワタシは耳が悪いので、対談とかテレビ出演とかの仕事はだいたい断っています。しかも今回は通訳の人が間に入るわけで、果たしてどんな混乱が巻き起こるのか想像もつかない。しかし、まぁ、誰か人が死んだりするわけじゃないんだからと思い、対談の前日は、別件の仕事を早々と終わらせると、浅草方面へフラフラと。浅草の路地をウロウロし、オープン・カフェならぬ、オープン飲み屋でまだ明るいうちから牛すじ突っつきながらビールをゴクリ。ご機嫌ですね、旦那。その後、一度乗ってみたいと思っていた念願の水上バスに乗ったり、築地で寿司食ったりしてました。楽しい、楽しい。あははは。<br />
水上バスに乗って、いわば裏側から見る東京というのはスペクタルです。「よくもまぁ、こんなの作ったもんだなぁ」と圧倒されます。ローマは一日にしてならず、とか言いますが、日本人だったらローマぐらい三日で作っちゃうんじゃないでしょうか。あ、ごめん、ローマの人たち。<br />
その夜は、明日のことを考えて、余力を残しつつ早々とホテルに戻りました。余力を残しつつベッドに横になったつもりが、余力なんかぜんぜんなかったのか、まだ10時前だというのに、コトンと寝入ってしまったとです。目覚めたのが11時過ぎ。ワタシはだいたい毎日二度寝睡眠なので、顔を洗って歯を磨くと、今起きたばっかりにもかかわらず、「さぁーて、寝るかー」とつぶやきつつ、ほんとに寝てしまいましたばい。<br />
対面にいるおフランスっぽいオヤジが、「負けは負けだしねー」などと言っている。上家のセレブっぽいオバアも「払ってもらわないと」とか言う。ワタシが「あれ？千点100万円って冗談じゃなかったの？」と言うと、下家の女医っぽいねえちゃんが「冗談なわけないでしょ」とボソリ。「えぇーっ、じゃぁオレ3億6千万の負け!?」と叫びながら目を醒ますと、ホテルの窓からドンヨリとした東京の夜明けが見えました。<br />
こんな馬鹿馬鹿しい悪夢を見るのは、麻雀で有名な竹書房がとってくれたホテルだからにちがいないなどと、さらにドンヨリした頭で考えていると、今日のパク監督との会談へも、なんだかギザドンヨリの暗雲が立ちこめるのす。さぁ、どうするワタシ!!<br />
今回はパク監督に敬意を表して、「映画ゾンビ」はじまって以来の前後編コンティニューへ突入。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/07/post_111.html</link>
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<category>ファンタジー</category>
<pubDate>Tue, 03 Jul 2007 21:44:24 +0900</pubDate>
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<title>アポカリプト</title>
<description><![CDATA[<p>先日、永島慎二先生の遺作展が阿佐ヶ谷であったので、ちょっと上京しました。日帰りというのも珍しいんですが、ひとりで行くというのも珍しいことです。なにしろワタシは耳が悪いので、「ひとりで東京に行く」とか言うと、みんな心配します。「ひとりで新幹線に乗る」とか言っても心配されるので、「ひとりで新幹線に乗って東京のホテルに泊まってくる」とか言ったら、もうたいへんなことになってしまいます。まるで小学生です。だからせめて日帰りというわけです。<br />
永島先生というと阿佐ヶ谷です。ワタシも若い頃は、三鷹とかにも住んでいて、電車の窓から先生の住んでいる阿佐ヶ谷の街を眺めていましたが、畏れ多くて降りたことはありませんでした。それが52歳になって、はじめて阿佐ヶ谷の駅から、遺作展の会場の喫茶店まで歩いてみましたが、短い距離とは言え、なぜ先生が阿佐ヶ谷を大好きだったのか、少し理解できました。この街には生活があります。<br />
いつもは丸の内とか千代田区とか渋谷とかばっかり歩いているので、そのちがいはあからさまなんですが、阿佐ヶ谷ではまったくみんなあからさまに生きているのでした。あからさまにオカネなさそうだし、あからさまに年寄りだし、あからさまに体が不自由だったり、あからさまに楽しそうな子どもがいました。それに生活の臭いもあからさまです。「匂い」ではなくて「臭い」。商店街というのはこんなにもいろんな臭いがするものだったかな、と思うほどです。いまや仙台にだってこんなに臭いのするところはないでしょう。そして、もしかしたら、この臭いはワタシが東京にいた30年以上前から変わっていないのではないかと思ったら、なんだか不覚にも涙が出そうになりましたです。<br />
永島先生の絵はすぐ売り切れてしまいます。特に油絵は初日に売り切れてしまうそうです。耳が悪いワタシは、アイスコーヒーを頼んではトンチンカンなことを言い、絵を見せてもらってる間にもチンカントンなことを口走り、この絵が欲しいどうしても欲しいなどと、またカントンチンなことを叫んで、お店の方がすでに買ったものを無理矢理譲ってもらったりしたのはワタシです。すみませんでした、浜野さん。帰ってからもカンチントンな留守電でご迷惑おかけしました。そのうちお詫びがてら参上し、今度はゆっくりと阿佐ヶ谷を歩いてみたいと思っております。<br />
メル・ギブソン監督の「アポカリプト」、前作「パッション」以来の、パフォーマンス・ムービーを期待して観に行きました。なにを思ったのか初老のカップルが多かったんですが、時々後ろを振り返ってみると、あまりの血も涙もないシーンの連続に、彼彼女たちは、捕虜が断頭台にひかれて行くシーンではその捕虜と同じ顔に、首を切断され断末魔の叫びを上げるシーンでは、今まさに断末魔の悲鳴を上げんとする人になっていました。あと、上映中に脱兎のごとく階段を駆け下りて出て行った若者がいましたが、二度と戻って来ることはありませんでした。あははは。これぞ映画です。まったくあからさまです。偉大なり、メル・ギブ。敬意を表して「パフォーマンス」という新しいカテゴリーを作りました。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/06/post_112.html</link>
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<category>パフォーマンス</category>
<pubDate>Thu, 21 Jun 2007 21:50:41 +0900</pubDate>
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<title>リーピング</title>
<description><![CDATA[<p>娘の受験勉強につきあって、あまりテレビを観られない1年間だったんですが、いざ受験が終わって、ひさしぶりにテレビを観てみたら、なんだか嫌いな人が増えている。というか、嫌いな人の方が圧倒的に多くなってしまった。この前は、どのチャンネルにしても嫌いな人が出てるので、リモコン持ちながらクルクルとチャンネルを逃げ回り、わぁー、○○だぁ！げえー、こっちは××だぁ！そっちにはΩΩがぁ！誰だ、ΩΩってぇ！<br />
カノウシマイとか出始めたあたりから、メチャイケとか観なくなったあたりから、ホソキとかいうオバアをチヤホヤしはじめたあたりから、テレビの中の人間が気になるようになってたんですが、芸人でもなく、タレントでも、アナウンサーでもない、もともとテレビに出る職業じゃない人だと、好感度じゃなくて、嫌感度が上がるみたいですね。評論家の∮∮とか。<br />
それでなくても最近のテレビはグルメと言ってはごちそうを見せびらかし、セレブと言っては成金をひけらかし、なんだか観てるこっちがバカにされてるとしか思えないです。そういう番組には必ずと言っていいほど出ているリポーターのⅦⅦなんて、ほんとサイテーです。⑨⑨⑨とかも。<br />
ま、いやなら観なけりゃいいのがテレビなんですが、実は、実生活においても嫌いな人が増えている。まず、あのピンヒールのサンダルをカンカン鳴らして歩いてる女の人が嫌いです。あの音が補聴器している人間にとってどれだけ不快なのか、わかってないというか、やっぱりわかんないでしょうね、補聴器したことないだろうし。<br />
あとファミレスとかで、やたらバカでかい声で、のべつまくなししゃべってる子どもも嫌いです。そばにいる親はなぜ黙らせないのか、あの子どものバカ声が、補聴器してる人間にとって拷問にも等しいということを、さっぱりわかってないというか、わかんないんだろうな、補聴器なんかしたことないだろうし。<br />
それから自分の子どもが地べたに這いつくばっているのに、注意しようともしない親も嫌いです。注意するどころか誇らしそうな微笑みを浮かべながら、あたたかく見守ってるのはどういうわけだ？あぁ、私の子は自由よ、天衣無縫よ、ザ・フリーよ、さぁ、なんでも自由にやりなさい！この世界はあなたのものよ！勝手におまえのガキのものにすんなぁ！補聴器したこともないくせに！<br />
「リーピング」、知らないで行ったんですが、久しぶりのスティーブン・ホプキンスが監督でした。「プレデター2」で認められ、「ブローン・アウェイ」でのし上がり、「ゴースト＆ダークネス」で、思いっきりハシゴ外され、「ロスト・イン・スペース」で地獄の釜の中に叩き込まれてしまった人ですが、その後、風のたよりさえ聞かなくなったと思ったら、テレビドラマ「24」で劇的カムバックを果たしました。「リーピング」も、ホラーの命である緊張感が途切れず、なかなかがんばってます。ワタシも、嫌いな人ばっかりじゃないんですよ。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/06/post_110.html</link>
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<category>ホラー</category>
<pubDate>Fri, 08 Jun 2007 22:11:24 +0900</pubDate>
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<title>黄色い涙</title>
<description><![CDATA[<p>まず「スパイダーマン3」の方から。いきなり、「スパイダーマン３」なんか観たくなかった、とか言ったらあんまりですが、まぁ、他にやっているものが「ハンニバル・ライジング」とか、「ロッキー・ザ・ファイナル」とかなのでしょうがないです。これが東京だったら、もう少し選択肢があるんでしょうね。昔から、映画環境における東京と地方の格差は絶大です。浅草に行けば「子連れ狼　地獄へ行くぞ！大五郎」とかやってるじゃありませんか。もちろん観に行ったりしませんが。<br />
それで「スパイダーマン3」、これはすでにＣＧアニメです。それはそれでいいんですが、アクションが速すぎてなにをやってるのかよくわからなかったです。これからクライマックスというところで、例によって寝てしまうし。ウチの嫁さんによると、「とくダネ！」の小倉知昭と笠井アナも同じことを言ってたとか。ふぉっふぉっふぉっ、お仲間ですじゃ。<br />
それでは「黄色い涙」の方を。嵐主演です。なぜそれを観たのかと言うと、原作が永島慎二先生だからです。「先生」と呼ばれる職業の人以外で、ワタシが「先生」をつけるのは、永島先生だけです。会いたくてなって、ワタシが自分からノコノコ会いに出かけた人は永島先生だけです。ワタシが持っている形見分けは、ワタシのオヤジと永島先生のだけです。身内、友人以外で墓参りをしたのは永島先生のお墓だけです。他にもいろいろ「永島先生だけ」というものありますが、今日はこの辺で。<br />
なので「黄色い涙」には、必要以上の期待があったかというと、それはやっぱり、ファン心理というものは逆で、気むずかしいものがあります。なぜ今「黄色い涙」なのか、犬童一心監督の意図を計りかねていたんですが、永島先生のファンの犬童監督、中学生の時にテレビドラマの「黄色い涙」を観て、いつか自分でも撮りたかったとか。うーん、混じり気のない純粋な動機です。こういうのを夢を追うというんでしょうね。<br />
人は誰かに教えられるまま、夢というものを追いかける幸福な時代があったりします。あなたにもそういう時代はありましたか？もちろん夢など追わなかった人もいるでしょう。だけど恋をして誰かを追いかけたりしませんでしたか？もし、追いかけなかったとしても、誰かをじーっと見つめたりした時はありませんでしたか？誰かを見つめたりしなかったとしても、誰かのことをずーっと考えたりしませんでしたか？そういう状態を「抒情」と言ってもいいと思いますが、永島先生の「黄色い涙」シリーズは、そういう抒情を描いたものです。この世界にある何事かに、抒情を感じる時、人はこの世を少し好きになるんだと思います。<br />
永島先生は「夢は必ずかなう」などというウソは言いませんでした。永島先生の作品にあるのは、夢を追う人たち、夢がかなわなかった人たちの抒情です。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/05/post_108.html</link>
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<category>ドラマ</category>
<pubDate>Fri, 25 May 2007 11:14:38 +0900</pubDate>
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<title>バベル</title>
<description><![CDATA[<p>この前、取材というか、ロケハンに行きました。いわゆる日本の里山の風景を撮影すべく、福島と宮城の山道や田舎道を、地図を頼りにウロウロとアシスタントのクルマで走ってきたんですが、「美しい国」などというものは、どこにもなかったです。よくわかったのは、国というものは「美しい」とか「美しくない」とか、そういうものではないということでした。<br />
山道を走ってると、40型ぐらいのテレビが路肩にミもフタもない捨て方されてたり、タイヤだの冷蔵庫だの、突然現れるアダルトＤＶＤ＆コスプレ売場だの、なんでこんな山の中にまでグラフティが、と思うような崖にもスプレーでいたずら書きされているし、そこに住んでる人も自分の庭に廃車を錆びるままにし、自転車やポリ浴槽を放置し、家は家とて、まだ荒れてない家か、荒れ果てるのに任せたか、もう誰も住んでない家です。<br />
山も荒れてます。砂利採りで身ぐるみ剥がされたような山が道の奥に立ちはだかり、造成中で中途半端に削られた山々、かと思えば、場違いなほど立派な道路がいきなりドーンと出現したり、倒木、朽ちた枝、生い茂るツタと雑草、もう日も射さないような森、日本はまさにシュールなほど荒廃していました。<br />
それで当初の目的の美しい里山ではなく、荒廃し朽ち果てた野山と家を撮るハメになりましたが、そこに住む人はと言えば、かあちゃんが犬を散歩させ、石屋のとうちゃんは石を削り、子どもは釣りのために川へ降りて行き、ばあちゃんは孫をおぶり、お尻をポンポンしてあげている。そして夕暮れの中、だんだん増えてくるクルマを見ながら、ワタシは「あぁ、平和だな」と思いました。<br />
「美しい国」、「平和」、このふたつの単語をして、ワタシが、憲法改正とか、国民投票とか、靖国参拝とか、キミのためにこそ死にに行くとか、最近の世相に絡めて話を作っているとは思わないでください。ワタシはほんとは国なんてどうでもいい人間です。ただ、荒れ果てた国の中でも、そこに住んでる人を見て、「平和だな」と思った。もちろんそのとおりではないでしょうが、少なくともワタシはそう思ったので、それは圧倒的な体験としてワタシの中に残ることになるわけです。<br />
それで「バベル」ですが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、「アモーレス・ペロス」、「21グラム」と同じく、またまた「悲劇ウォッチャー」ぶりを発揮します。この人は人の群れの中に、悲劇を一滴ポトリと落とすとどうなるか、という映画ばかり撮ります。今回も「21グラム」同様、時系列をシャッフルした構成ですが、2度目だともうそんなにドキドキしません。だけどこの人は「ほんとのことを言ってくれる人」です。そういう人を大切にしないといけないと思います。最近の映画はそれでなくても「心にもないことを言って無責任に慰める人」ばっかりなので。ロケハンに行ったあとに、この映画を観たワタシとしては、アレハンドロの言いたいことがよくわかりました。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/05/post_109.html</link>
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<category>ドラマ</category>
<pubDate>Fri, 11 May 2007 19:46:20 +0900</pubDate>
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<title>ブラックブック</title>
<description><![CDATA[<p>ワタシとアシスタント2名による、「ウチの事務所オンリーワン・ムービー」に燦然と輝いている「スターシップ・トゥルーパーズ」、その監督であるポール・バーホーベンの約7年ぶりの新作「ブラックブック」が仙台にも来たので、観に行きました。ナチ物なんで、なんだかな、という気持ちもナチにあらずでしたが、えー、くだらないダジャレはともかくですな、やっぱり仁義切って観に行きましたよ。ワタシ、映画だけは義理堅いんです。パーティだの飲み会だのゴルフだのは呼ばれても行かないですが。<br />
バーホーベンというと、パワフルで、スキャンダラスで、いわゆるエッヂが効いた作品が売りです。今でこそ当たり前のように使われるＣＧについても、バーホーベンとジェームズ・キャメロンが「物好き」と言われながらも、使い続けたことによって確立されたものじゃないスか。<br />
そのバーホーベンが、ハリウッドを都落ちし、母国オランダに帰って、第二次世界大戦、ナチとそのレジスタンス、まさにコテコテにアナログにして、スタンダードかつドメスチックなものを撮るということに、諦めに似た不安な気持ちを抱えたまま、映画館に行きました。しかもなんだかみんな誉めてます。みんな誉めるものは用心してます。最近はなにかと言うと無責任に誉める人ばかりなので。<br />
それで「ブラックブック」、いやー、よかったですぅ。ほんとにぃ。見事なシナリオでした。ポール、おまえは医大だよ、じゃなくて偉大だよ。こんな職人芸までこなせるとは。<br />
よし、飲め！オレの盃を受けろ！ま、たいへんだったろ、なっ。だけどアレだよ、主演の女優な、アレはアレでいい女優だけど、おまえホントは、ニコール・キッドマンでやりたかったんじゃないか？え？隠すなって、隠したってわかるんだから。ニコールを脱がしたかったんだろ、あははは。なんだなんだ、なんで暴れるんだよ！いててて、肘ぶつかったぞ！いてえだろ！いいから、座れって。ほれ、コップひっくり返ってるぞ。おまえ、そのタコ食わないのか。タコの酢の物だよ、これは。食わないんならオレがもらうぞ。なんだなんだ、また暴れて！食うんなら、食えよ！いらねえよ、こんなもの！「ブラックブック」なんか、アレおまえがわざわざ7年ぶりに撮らなきゃいけないもんかよ。20年前に考えたネタなんだろ。そんな日本のじいちゃん映画監督みたいなこと、おまえやってどうすんだよ。なんだ、また暴れんのか！暴れろよ、ほれ、みんなこっち見てるぞ。いててて、放せ、バカ！いてえってんだよ！結局、おまえだって技術見せるしかなかったんだろ、そうだろ！なにすりゃいいのかわかんないんだろ。映画も音楽も漫画も、今まで川を流れてたのが、みんな海に出ちゃったみたいなもんなんだ。だからどっちに行けばいいのか誰もわかんないんだよ。海だよ、シーだよ、オランダ語だったらゼーだろ！ゼー！ゼー！わかるか？アンダスターン？ゼーだよ！ん？そうそう、ゼーだよ。わかったか？おー、そうそう、ゼーゼー。ん？そりゃタコだよ、確かにゼーだけど、オレが言ってんのはちがうんだよ！なんでわかんないんだよ！</p>]]></description>
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<category>サスペンス</category>
<pubDate>Fri, 27 Apr 2007 19:02:31 +0900</pubDate>
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<title>絶対の愛</title>
<description><![CDATA[<p>めずらしく仕事で上京しました。ワタシの場合、東京に行くというのは、年に1回か2回ぐらいなものなんですが、この前東京に行ったのが確か去年の9月頃、その時、たまたまキム・ギドクの「弓」をやっていたので、コレ幸いとばかり観に行きました。そして今回もまたまた、たまたま、またたまやっていました、ギドクの最新作「絶対の愛」。うーん、やっぱりギドクはワタシに観て欲しいんだと思います。あははは。<br />
ま、東京の単館ロードショーはいつまでもやってるもんですが、仙台だとギドクの映画は1週間で打ち切りになります。なんかのゴシップで、前々作「うつせみ」の時に、ギドク、韓国国内での公開の仕方も自分でプロデュースしてやったそうですが、それでもお客が入らないので、がっくりして、「もう引退する！」だか「韓国ではもう撮らない！」だか「韓国人に映画なんかわかるもんか！」だか、「キムチばっかり食うな！」だったか、キレてしまったらしい。<br />
はたまたポン・ジュノの「グエムル」の大ヒットに嫉妬し、テレビで皮肉を言って世論の集中砲火食らったとか、「小学校しか出てないからバカにされる」とか、学歴差別まで吐露してひがみまくったとか、いろいろあることないこと聞きましたが、ワタシの勝手な読みでいうと、ギドクは「うつせみ」に絶対の自信があったんだと思います。それで公開の方式から一新して勝負に出たのに、韓国人はわかってくれない。<br />
「うつせみ」については、ワタシもこの欄で「ギドクは最強モードに入った」とか、「次の2、3本で最高傑作をものにするはず」などとレビューしましたが、「弓」が今ひとつベタに観念的なままだったので、肩すかしくらいましたが、「絶対の愛」は、「うつせみ」に並ぶ、ギドクの最高傑作になったと思います。ギドクの真骨頂は、観念が一転して具象化するところにあります。デタラメがホントになってしまうというか。アイヤー！ひさしぶりに映画観ながらひとりで興奮して、こみ上げる笑いを押さえ切れませんでしたよ。<br />
映画館に入る前にラーメンを食ったんですが、そこで特製つけ麺というものを頼みました。そしたらなんか味が薄いというか、しないというか、最近の東京はこういうものが流行ってるのかな、うーん、とか思いながら食ってたんですが、やおらそこの店員がカウンター越しに「すみません、調理ミスがありました」とか言ってペコペコ謝り出したので、ワタシともう一人、同じものを食べていた人は、顔を見合わせてゲラゲラ笑いました。ゲラゲラゲラゲラ。<br />
「絶対の愛」のエンディングなんて、調理ミス一歩手前のおもしろさです。ここでああすりゃみんな泣く、という展開をこれでもかとやっておいて、そうはしないんですから。今か今かと泣く準備をしていたお客さんは、完全に肩すかしくらいますが、今時「うまいラーメン」なんてどこにでもあるんだし。ゲラゲラゲラゲラ。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/04/post_106.html</link>
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<category>恋愛</category>
<pubDate>Wed, 11 Apr 2007 19:55:19 +0900</pubDate>
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<title>パフューム－ある人殺しの物語</title>
<description><![CDATA[<p>匂いがテーマの映画ということで、ちょっと興味深かったので、行って来ました。「パフューム」。冒頭、昔のパリはとても臭かった、という説明が出てくるんですが、確かにパリでなくても昔は臭かったと思います。<br />
ワタシの家の周りでも、醤油屋が煮る大豆のアクのニオイ、肉屋が揚げるフライのニオイ、魚屋が焼く魚のニオイ、そして風呂を焚くニオイ、ご飯が出来たニオイ、銭湯の煙突からのニオイ、遠くは屠殺場にうずたかく積まれた家畜の頭蓋骨の腐乱するニオイから、床屋だったワタシの家の中の整髪料とパーマ液のニオイ、そして汲み取り便所の強烈なニオイ。それらが時間を変え、場所を変え、いろいろ臭っていたのを思い出します。そして五感の中でも、匂いは意識の奥深くに潜り込んでしまうような気がします。<br />
ワタシはオヤジが着ていたアノラックのゴム臭い匂いを強烈に覚えていて、いつだったか仙台の雑踏の中、誰かとすれ違った時に、ひさしぶりにその匂いを嗅ぎました。当然、振り返ってみたりしたんですが、結局、誰の匂いだったかはわかりませんでした。たぶん死んだオヤジが歩いていたのでしょう。なにしろワタシのオヤジは遍在化するオヤジというか、世界中どこにでもいるのです。大阪でサンドイッチマンをやっていたオヤジ、東京でタクシーの運転手をやっていたオヤジ、ハワイのビーチを掃除していたオヤジ、フロリダでは現地の案内人をやっていたオヤジ、そして「パリ・テキサス」に出演していたオヤジ、みーんなワタシのオヤジでした。いや、そっくりだっただけですが。あははは。<br />
次に憶えているのは、遠足の時に持って行くナップザックのビニールとお菓子と果物の混ざった匂いです。ワタシは小さい頃、乗り物酔いの激しい子だったので、そのナップザックの甘ったるい匂いをイメージすると、今でも「おえっ」と来ます。あ、思い出した…、ううぅ、おえぇぇっ。<br />
そして煙りの匂いです。煙りの匂いはなぜあんなにも懐かしいのか。たぶん原体験は田んぼの稲わらを燃やす匂いとか、たき火の匂いなんでしょうが。<br />
映像、音声、文字、五感のほとんどがデジタル化された今、匂いだけはまだデジタル化されていません。ここに匂いというものの強烈な郷愁の理由があるのかも。いわゆる最後のアナログとして。しかし、よく考えると味覚もデジタル化されてませんね。味覚もなつかしいかな。確かにワタシは田舎に帰ると、昔から食べてる近所のそば屋の中華そばを必ず食べて来ますが。とするとデシタル化されたかどうかは関係ないんでしょうね。しかし、デジタル化されると、たぶん懐かしくなくなるかも。いや、更に懐かしくなるのかな。人間てそういうもんです。<br />
「パフューム」、衝撃的なエンディングが待っていると言われてたんですが、ワタシは必死になって笑いをこらえていました。だっておかしいだろ！あははは。ネタバレになるので言いませんが、笑われるのを覚悟でやったのならエライと思います。でも、笑われると思ってもいなかったとしたら、ダメな監督でしょう。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/03/post_105.html</link>
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<category>ドラマ</category>
<pubDate>Mon, 26 Mar 2007 17:36:55 +0900</pubDate>
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<title>叫</title>
<description><![CDATA[<p>ひさしぶりに映画館に行きました。もしかすると3ヶ月ぶりぐらいかも。変わってませんね、映画館も。もうすべての映画館は廃墟のようになってしまって、そこではアンドロイドの女ホームレスが、デジタル売春してる（デジタル売春ってなんだ？）とか、三色レプリカントが（三色レプリカント？）合成ドラッグでバーチャルラリラリしてる（バーチャルラリラリって？）とか、思ってたわけじゃないですが。<br />
当然、映画を観るのもひさしぶりで、黒沢清監督の新作「叫」です。葉月里緒奈の幽霊がこわいという評判でしたので。確かに里緒奈、こわいです。ピンボケの里緒奈、アップの里緒奈、ピントきつめでエッジがどんどん強調されたギザ里緒奈、どういう風に撮られてるか、どういう風に撮られればいいのか、きっぱりと理解しているので、里緒奈、いい女優になりましたね。<br />
男というか恋というか、板前だのサラリーマンだの、そんなのと結婚したり離婚したりしてどうすんだろ、とか余計なこと思ってましたが、里緒奈、ほんとは男なんてどうでもいいのかも。それに似てるのが宮沢りえです。相撲取りだのクロムのデザイナーだの、そんなのとくっついてどうすんのかな、と思ってたら、宮沢りえはいつのまにかほんとにいい女優になったと思います。りえも結局、男なんてどうでもいいのかも。その路線で行くと、次にいい女優になりそうなのは、やっぱり広末ですね。うんうん、男なんてどうでもいいんだから、好きな時に捕まえて、飽きたら捨てちゃえばいいし。竹内結子も。<br />
この前、ＤＶＤで「薬指の標本」を観ました。ワタシもたまには観ますよ、こういうの。ラブです、おフランスです。この映画でも結局、女の人は男から逃げてしまいます。もっとも男は標本ばっかり作ってる退屈なオタク（アキバ系）とか、男臭いスケベ（チョイ悪系）だったりするので、無理もないかも。ま、そういう意味では現代的な図式ですね。狙って作ったんでしょうが。<br />
今はもう「男→ヘナヘナ」「女→ガンガン」という図式が世界中津々浦々に行き渡ってしまってるのかも。男がこうなのに、女の人はそれでも恋愛を求めるんでしょうか。女の人は人間関係の中でしか生きて行けない生き物かもしれませんが、恋愛というものを、まだ究極の人間関係だと思ってるんでしょうか。男がこうなのに。アキバだのチョイ悪だの言ってるのに。あははは。<br />
黒沢監督の「叫」、よくないわけではないですが、やっぱりこれは技巧的な映画です。ついでに言えば、黒沢監督の前作「ＬＯＦＴ」も。男に残ったのは技術だけなんでしょうか。男はもう技術しか見せるものがないんでしょうか。たぶん技術しかないんでしょう。それをわかってる男はまだ真摯な人だと思います。そして女の人よりもまだ少し深みにいると思います。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/03/post_104.html</link>
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<category>サスペンス</category>
<pubDate>Tue, 13 Mar 2007 18:47:49 +0900</pubDate>
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<title>マッチポイント</title>
<description><![CDATA[<p>年をとるとどうしてもフィクションに飽きてくるので、録画しておいたニュースばかり観ています。しかし、なんですね、相変わらずどこかのオッサンがカメラの前で頭下げる映像ばかりで、テレビ懺悔というか、このテレビ懺悔、すでに日本の正式なセレモニーになった感があります。毎日どころかダブルヘッダーだったりする時もあるので、株価とか天気予報と同じように「今日のテレビ懺悔」という別コーナーにして、番組の終わりにまとめて流して欲しいです。<br />
神出鬼没というか、頼まれもしないのにノコノコ出てくる金まさおはいいですね。正確には金正男ですが。キウイ・ジュースを飲む金まさおなんかとても興味深かったです。ディズニーとブランド狂いの金まさお、たぶん日本が大好きなんでしょう。日本人みたいだもの。デビ夫人の次は金まさおだと思います。金まさおが芸人にお説教したりするのも見てみたいです。<br />
あとは宮崎県知事になったそのまんま東ですね。ウチのアシスタントが、どうせだったら、たけし軍団が全国の知事になればいい、と言ってました。たけしなら慎太郎にも楽勝で都知事になれるだろうし、宮城県は井手らっきょあたりかも。全国の有権者も「その気になれば、おまーら全員お笑いタレントに入れ替えるぐらい簡単なんだぞ」という気概を政治家と役人に見せておくのもいいですね。やりましょ、やりましょ、全員お笑いタレントに入れ替えちゃいましょう。絶対、今より悪くなったりしないですから。東京見てみなさいよ、慎太郎になってから悪くなりましたか？あ、なったのかな。あははは。<br />
ま、それはともかく、ニュースというのは生中継が基本なわけですが、観ていると、最近は画面の切り替えとかテロップの入れ方とか、めちゃくちゃ間違います。前は「あははは、間違ってる」とか、ＮＧ見つけたみたいで楽しく笑ってましたが、あまり頻繁になると、結構イライラきます。テレビ業界も、いよいよリストラと過労と勤労意欲の低下の波が押し寄せてきたんでしょうね。<br />
とにかく会社で一番エライのは株主である、という世間の誤解を解かないといかんです。オカネ出すだけの人が一番エライとなったら、誰もマジメに働きませんよ。マジメに働かないで、経費削減とかで利益出そうとしますよ。<br />
いや、ワタシもさっぱり儲からないので、漫画家じゃなくてなんか別な仕事のことを考えてみたりしてたんですが、最近、腹をくくって生涯いち漫画家でやることに決めました。みなさんも腹をくくってください。どうせみんな死ぬんですよ。<br />
それで「マッチポイント」。ウディ・アレンです。スカーレット・ヨハンソンの卓球するシーンがエッチだというので観てみたんですが、ウディ・アレン、エッチに撮ってます。エッチに撮ったらエッチに見えるのは当たり前です。それに出てくるヤツらがみんな腹をくくってないヤツばかりなんで、どうでもよくなって寝てしまいました。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/02/post_103.html</link>
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<category>サスペンス</category>
<pubDate>Sat, 24 Feb 2007 17:23:56 +0900</pubDate>
</item>
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<title>ハイテンション</title>
<description><![CDATA[<p>公私ともにいろいろあり、映画を観に行こうという気持ちがなかなか生まれません。雑誌とかで、今年くる予定の映画とその本数を見るにつけ、この世にあってもいい映画の数というか、許容数はもう過ぎてるんじゃないか、これ以上映画を作ることは、地球温暖化とか、オゾンホールのようなことが、我々の頭の中で進行し出すんじゃないか、我々の頭脳環境を破壊することにしかならないんじゃないのかとさえ思います。それは映画だけじゃなくて、音楽も小説も漫画もそうですが、いっそ映画も音楽も小説も漫画ももう止めて、なにか新しい別なものを作る時期に来ているんじゃないでしょうか。それが「こんてんつ」とか「ぶろぐ」だと、もうボキゅたちの頭脳環境の終末時計は残り52秒ぐらいなってしまうんだじょー、あばばばばば。<br />
チラッと「ダーウィンの悪夢」でも観に行こうかと思ったんですが、ゲーム「シムシティ」のような、このドキュメンタリーに描かれていることは、今も世界中、日本中で進行していることだろうと思ったら、観る気が失せてしまいました。古くは減反からダム河川や森林事業などなど、我々がようやくそれを悪夢だったと知るのは、テレビカメラの前で偉そうなおっさんたちが深々と頭を下げたり、メソメソ泣き出すのを目の前にした時だけです。異物混入とか賞味期限切れとかだけじゃなく、他の悪夢についても続々進行中でしょう。カミング・スーン！<br />
今思うのは、人材派遣というショーバイです。規制緩和だか、改革だか知りませんが、企業というものにそんなショーバイを許可したら、ナントカ湖にナイルバーチを放つなどというレベルのことではない悪夢がはじまります。人材派遣業なんて、会社側の労働組合に等しいので、そこには人間を流通させて儲けようというショーバイがあるだけです。誰だ！こんなショーバイ許可したの！<br />
まったく、映画や音楽や小説や漫画だけじゃなく、職業というものも、この世界に許容される以上の数を作ってしまっているんじゃないでしょうか。もう誰かと誰かの間に誰かを入れて、少しずつ血を吸い合うような社会になってしまっていると思います。<br />
だから、ムラカミヨシアキとかいうおっさんが「カネ儲け、なにが悪いんです」と逆ギレした時に、「お互い少しずつ血を吸い合って生きてるのに、おまえだけ勝手にたくさん血ぃ吸ったら、みんなどうなると思ってんだ！」と、どうしてあの場にいたマスコミや記者の誰もが言えなかったのか。そんな説教できるのは、もう「東京タワー」のおかんと、佐賀のがばいばあちゃんぐらいなんスか？<br />
ま、公私ともにいろいろあると気が立ってしまって、アレコレですが、「ハイテンション」いいです。お好みのままスプラッターしたり、好き好きにドンデン返ししたりしてます。そんなことやればやるほど良識ある人は観に来なくなりますが、感動させます！泣かせます！とか言いながら近寄ってくる映画よりは、よっぽど誠意があるってもんでしょう。そして今の世の中に欠けてるのはソレです。誠意です。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/02/post_102.html</link>
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<category>ホラー</category>
<pubDate>Mon, 05 Feb 2007 15:19:57 +0900</pubDate>
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<title>ｔｈｅＥＹＥ2</title>
<description><![CDATA[<p>受験生の娘と嫁さん、ひさしぶりの息抜きで、楽しみにしていた「大奥」を観に行きましたが、二人とも呪いの言葉を吐きながら帰って来ました。娘と嫁さんが楽しみにしていたものが、もうひとつあります。それは劇場版「どうぶつの森」です。しかし、「これじゃぁポケモンだろ」のテレビＣＭを観た瞬間に二人とも口から火を吹き、観に行くことさえ拒否してしまいました。<br />
ワタシはと言えば、ぬるい正月興行が続く中、映画を観に行くべくモチベーションなど皆無で、「映画観てくるかも」と言いつつ、本屋に寄り、「あんな本もある、こんな本もある」などと興奮し、「あー、この本を読んだら、オレはどれだけ賢くなるだろうか」と吐息し、「とりあえず今日は、これと、これと、これだぁ！」とばかり本を小脇に抱えて、メシ屋に駆け込み、キクラゲ卵炒め定食なんかを貪り食いつつ、今買った本も貪り読み、地下鉄に乗り、乗客をチラ見しながら、「なんか最近みんなビンボ臭くなったなぁ」などと自分のことは棚に上げて勝手なことを思い、ウチに帰ると、今買ってきた本を、すでに連峰と化している「次に読みたい本の山」の上にドサッと重ねるのでした。<br />
最近、週末はだいたいこんな有様で、映画も観ずに本ばかり買ってるんですが、そのうち半分ぐらいは資料なので、なかなか読みたい本も読めない。これがつらいです。最近の漫画はどんどんノベル化して、昔のようにデタラメばかり描いても誰も読んでくれないので、資料に目を通しつつ、読みたい本も読むという、とても忙しい読書傾向になるわけで、寝室では読みたい本Ａを読み、リビングでは読みたい本Ｂを手元に置き、トイレには新聞といっしょに資料Ａを持ち込み、カバンの中には資料Ｂを忍ばせつつ、読みたい雑誌Ａも読むという分刻みのような読書生活です。<br />
なので、必然的に本を見切るのも早くなります。まえがき読んだだけで「しまった！こいつバカだったのか」と閉じてしまい、10ページ読むと「ふつう小学生がこんなこと言うか」と投げ出し、三分の一あたりで「オレ、こんな本読みたくて買ったわけじゃない」と叩きつけ、「もうエンディングはわかったから」と、残り20ページなのに本棚に放り込んでしまいます。なんという飽食というか飽読というか、こんなことやってたら、「映画ゾンビ」から「読書ゾンビ」になってしまうのも時間の問題でしょう。<br />
しかし、そんな本ばかり読んでるわけでもない。最近は荒川洋治の本を、冷たい水を少しずつ胃に流し込むように読んでます。この人の言葉に対しての感覚と、「文学」への郷愁で、ワタシの頭の中に詰まってる泥が、両耳の穴からベロベロと出てくるような思いがします。<br />
「ｔｈｅＥＹＥ2」、オキサイド・パンです。前作「ｔｈｅＥＹＥ」もこわかったですが、今回もちょっと驚愕する映像がありました。そうそう、オキサイド・パンも、ワタシの「これからに期待する変な名前の若い人100」の一人です。</p>]]></description>
<link>http://www.bonobono.jp/mag/archives/2007/01/2_4.html</link>
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<category>ホラー</category>
<pubDate>Mon, 22 Jan 2007 18:59:17 +0900</pubDate>
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