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2006年12月01日

トゥモロー・ワールド

先日、テレビで「麻雀放浪記」をやってまして、やはりおもしろい映画です。それで思ったんですが、ハリウッドも含めて、最近の映画というのは悪いヤツが出てこない。最後にやっつけられるサダメのお約束的悪役キャラばっかりで、日本映画となると「いい人」のオンパレード。そのいい人たちが、メソメソしながら死んだり抱きしめたり泣いたり喚いたり走ったり転んだりするだけなので、やっぱり映画って悪人ですよ。
ほんとに悪いヤツなんてのは、もはやホラー映画の中にしか生息してないのかもしれませんが、悪いヤツが出て来ないと、映画というのはドキドキしないもんです。あぁ、昔の東映系の映画館に入る時のドキドキ感は忘れられません。それとエロ映画館も。そこではタバコとトイレの臭いがブレンドされた特有の臭いがしました。その臭いは当時の青少年の生理にまで侵食しているため、ワタシ、去年、新宿のオデオン座に入ったら、ひさしぶりにその臭いが迫ってきて、ソワソワして映画どころじゃなかったです。なんでソワソワすんのかなぁ。あははは。
そこへいくと、今のシネコンはどこでもキャラメル・ポップコーンの甘ったるい匂いが漂っている。やはりこれも映画がナメられるようになった原因だと思います。昔の映画館のようにタバコとトイレの臭いにしろとは言いませんが、せめてホルモンと押し入れの臭いとかにすると、みんなまた映画を畏敬し、リスペクトしてくれるんじゃないでしょうかっていうのは、オヤジの繰り言というか、戯れ言というか、世迷い言というか、いうかいうかいうかなんでしょうね。
で、今回は「トゥモロー・ワールド」です。なぜ「トゥモロー・ワールド」かというと、今公開されている映画を見渡すと、これが一番マーケティング理論から外れていたからです。SF、無名の俳優、無名の監督、重いテーマ、4つも外してます。これにホラーが入るともう全滅でしょう。
ワタシのめっきり衰えたカンによると、今週仙台で公開されてるもので「傑作」がありうるとしたら、コレしかなかった。ハリウッド映画のくせに、マーケティング理論をボロ外してるのが怪し気だし、あとは主演のクライヴ・オーウェンを信じました。
原因不明の遺伝子異常でこどもが生まれなくなった社会、閉塞感と人種差別と武装蜂起とテロという、まさに今日的な近未来がベタベタです。当然、狙ったんでしょうが。ネタバレで言うと、やはり誰かが妊娠して赤ん坊が生まれるという奇跡が起きるわけですが、出産というのは確かに奇跡です。ワタシの体験から言うと、なんでこんなことが起きるのかわからない。だってワタシはなにもしてないに等しいし、嫁さんだってなにもしてないと言えばなにもしていない。なのに勝手に大きくなって生まれてくる。赤ん坊がではなくて、新しい人間が。
そして我々にはもうひとつ奇跡があります。なにもしてないのに今日も生きて動いているということです。なんで生きて動けてるのか未だにわからないです、ワタシ。

投稿者 いがらしみきお

2006年04月27日

Vフォー・ヴェンデッタ

映画館の予告篇を観ても、どんな映画なのかよくわからなかったので、観て来ました「Vフォー・ヴェンデッタ」。ナイフ使いのトランプマン野郎、丸坊主にされるナタリー・ポートマン、革命だの自由だのテレビ局占拠だの、ほんでもってバックにいるのが「マトリックス」のジョエル・シルバーとウォシャウスキー兄弟…、これだけの情報からワタシが頭の中に作り上げた「V」は「もしかすっと少しおもしろいかも」というものでしたが、テレビでの予告CMを観た娘も「うーん、コレおもしろいかも」と思ったらしくて、「んでは送って行くべ」という嫁さんも入れて3人で観て来ました。まるでファミリー映画みたいなノリですが。
ちなみにウチのアシスタントは家族総勢5人で「サイン」を観に行ったことがあるそうで、アレもファミリー映画だったかなぁ。ちがうだろ、おまえ。ま、アシの家族は全員ガックリして帰ってきたそうです。
ウチも結論から言っちゃいますが、「V」にゲンナリして帰ってきましたです。アシの家族は5人、ウチは3人なのでウチの方がまだ不幸中の幸いだったとか、意味もないことまで考え出して自分を納得させたりしたんですが、娘も嫁さんもブリブリ怒ってました。ワタシはワタシで2000年を越えてからこんな映画観るとは思ってなかったというか、観ている間、暗澹たる気持ちになりながらも、なんだかこの古くささに郷愁さえ覚えるのでした。
「V」、この感じはワタシの仕事場の近くのそば屋のそばのようです。このそばを誰かお客さんに食べさせたり、家族に食べさせたりしたら、「V」のような結果になるのは火を見るより明らかなので、自分だけで人知れずひっそりと食べていますが、ワタシはこのそば屋に週一の割合で通ってます。まず、ここのそばはそばの色をしていない。ほとんど真っ白でそばの香りもしません。宮城県の方言に「ぺろ」という言葉があるんですが、基本的にこれはうどんのことを言います。しかし、ワタシは子供の頃から「ぺろ」というのは「白い麺類」に対しての総称だと思っていたので、このそばを密かに「ぺろ」と呼んでいるのでした。このぺろ、確かにうまくはないがたぶん毎日食べても飽きない。いや、きっと飽きますけど。あははは。だけど、ワタシにとってはまさに「ぺろ」なので、古くさくても、懐かしく、飽きない味なんでしょう。うーん、ちょっと誉めすぎかな、「V」もこのそば屋も。とりあえずこれからこのそばのことを「Vそば」と呼ぶことにします。

投稿者 いがらしみきお

2005年08月01日

スターウォーズ/シスの逆襲

「スターウォーズ」。輝かしい名前です。「エピソードなんとか」が、つく前の「スターウォーズ」はワタシも熱狂して観ていました。25年ぐらい前のワタシの「将来の夢」のひとつに「スターウォーズ3部作をオールナイトで一挙に観てみたい」というものがあったぐらいでしたから。ちなみに他の夢としては「ワールドカップに日本代表が出るのを見てみたい」と「ライオンズマンションに住んでみたい」というものがありましたが、どちらも恥ずかしくてクチに出せない夢でした。だって当時、ワールドカップに日本代表が出るなんて、そんなこと言ったら小学生扱いされるに決まってましたから。ライオンズマンションにいたっては、何言われるかわかったもんじゃないし。あははは。
それが今では、スターウォーズ3部作はLDだけど3枚ともウチにあるし、日本は3大会連続してワールドカップに出場するし、ライオンズマンションはもういいです。あははは。
で、「スターウォース」ですが、この映画にはハートがない。あるのはILMの技術だけです。だからルーカスなんかいらないんじゃないでしょうか。ILMがあれば、この程度の「スターウォーズ」はいくらでも作れる。
ILM、それはまるで優秀なアシスタントのようです。場面転換ショットの、宇宙船だらけの遠景とか、高層ビルだらけの都市とか、ワタシには、まるで漫画家がアシスタントに資料丸投げで描かせた背景のように見えます。メカも描いてくれるし、アーマードスーツだの武器だの、しちめんどくせいものを、勝手にデザインしてくれるし、気の遠くなるようなモブ・シーンさえも文句言わずにやってくれる。こんなありがたいアシスタントはいない!ルーカス、オレにILM貸せ!かねてより構想中の、軌道を外れてしまったロケットの1億2千万年に渡る絶望的に孤独な旅を描く「アローン・ストーリー(仮題)」に出てくる深宇宙の驚天動地の姿を作れるのは、ILMしかない!ルーカス、おまえ邪魔!え?オレのものだ?あ、そうか。頼むよ、ILM貸してくれよ。時給900円ぐらいで。ルーカス、おまえの最高傑作は「スターウォーズ」なんかじゃない!ILMだ!

投稿者 いがらしみきお

2005年07月23日

宇宙戦争

観てきました。「宇宙戦争」。スピルバーグです。トム・クルです。ダコタちゃんです。
なんでも「プライベート・ライアン」を彷彿とさせるぐらいの殺戮描写だとか聞きました。うおー!またやるのか!スピ!
抵抗むなしくエイリアンに捕らわれ、目を覆いたくなるほどの拷問を受けた瀕死のトム・クルの目の前で、もう助からないぐらいの重傷を負ったダコタちゃんが、はみ出すはらわたを押さえながら、「助けて!パパ助けてー!」と泣き叫ぶ。それを見かねて、自分の自決用として、すでに弾が一発しか残っていない銃で、ダコタちゃんの眉間を、涙と絶叫とともに撃ち抜くトム・クル。飛び散るダコタちゃんの脳奬。うおー!すげい!すげいぞ!スピ!と期待していたら、そんなシーンはどこにもありませんでした。いや、例によって途中で寝てしまったので、その間、なにかそれらしいシーンがあったのかもしれないですが。
結局これは、「インディペンデンス・デイ」味と「ジュラシック・パーク」味と「プライベート・ライアン」味の3つの味を楽しめる、お得な映画なんでしょう。どうせ観るんなら、上記3本をまとめて観た方がいいと思うんですが。
まぁ、「宇宙戦争」というタイトルのブロックバスター映画で、ワタシが期待したような殺戮シーンがあるわけないですね。そんなに期待していたわけでもないんですが、ワタシって「映画ゾンビ」とか言っても、まだまだウブなところも残ってるのかも。でも、観たかったなぁ、宇宙版「プライベート・ライアン」を。帰って「スターシップ・トルーパーズ」でも見るかぁ。
エイリアンの攻撃から逃げる人間で、ごった返すフェリーの甲板。身動きも出来ない群衆の中に、容赦なく撃ち込まれるビーム砲。砕け散る頭部、もげる手足、身動きも出来ず、撃たれるままの人、人、人。頭がなくなった黒人の体の下に潜り込んで必死に身を守ろうとするトム・クルとダコタちゃん、突然髪の毛を掴まれ、死体の山の中から引きずり出される二人。その目の前には民兵の軍曹が。「銃はひとつしかない!どっちか死んだら、生き残った方がまたこの銃で突撃しろ!」「もし逃げて帰って来たら、オレがきさまらを撃ち殺す!」「さぁ、死んでこい!」。血塗れのまま、フェリーから蹴落とされ、ビーム砲の雨の中を突撃するトム・クルとダコタちゃん。そのダコタちゃんの目の前で、あっと言う間に下半身を吹き飛ばされるトム・クル。殺戮の光に炙り出される地獄絵図の中で、ダコタちゃんが叫んだ。「パパー!!」

投稿者 いがらしみきお