ワタシとアシスタント2名による、「ウチの事務所オンリーワン・ムービー」に燦然と輝いている「スターシップ・トゥルーパーズ」、その監督であるポール・バーホーベンの約7年ぶりの新作「ブラックブック」が仙台にも来たので、観に行きました。ナチ物なんで、なんだかな、という気持ちもナチにあらずでしたが、えー、くだらないダジャレはともかくですな、やっぱり仁義切って観に行きましたよ。ワタシ、映画だけは義理堅いんです。パーティだの飲み会だのゴルフだのは呼ばれても行かないですが。
バーホーベンというと、パワフルで、スキャンダラスで、いわゆるエッヂが効いた作品が売りです。今でこそ当たり前のように使われるCGについても、バーホーベンとジェームズ・キャメロンが「物好き」と言われながらも、使い続けたことによって確立されたものじゃないスか。
そのバーホーベンが、ハリウッドを都落ちし、母国オランダに帰って、第二次世界大戦、ナチとそのレジスタンス、まさにコテコテにアナログにして、スタンダードかつドメスチックなものを撮るということに、諦めに似た不安な気持ちを抱えたまま、映画館に行きました。しかもなんだかみんな誉めてます。みんな誉めるものは用心してます。最近はなにかと言うと無責任に誉める人ばかりなので。
それで「ブラックブック」、いやー、よかったですぅ。ほんとにぃ。見事なシナリオでした。ポール、おまえは医大だよ、じゃなくて偉大だよ。こんな職人芸までこなせるとは。
よし、飲め!オレの盃を受けろ!ま、たいへんだったろ、なっ。だけどアレだよ、主演の女優な、アレはアレでいい女優だけど、おまえホントは、ニコール・キッドマンでやりたかったんじゃないか?え?隠すなって、隠したってわかるんだから。ニコールを脱がしたかったんだろ、あははは。なんだなんだ、なんで暴れるんだよ!いててて、肘ぶつかったぞ!いてえだろ!いいから、座れって。ほれ、コップひっくり返ってるぞ。おまえ、そのタコ食わないのか。タコの酢の物だよ、これは。食わないんならオレがもらうぞ。なんだなんだ、また暴れて!食うんなら、食えよ!いらねえよ、こんなもの!「ブラックブック」なんか、アレおまえがわざわざ7年ぶりに撮らなきゃいけないもんかよ。20年前に考えたネタなんだろ。そんな日本のじいちゃん映画監督みたいなこと、おまえやってどうすんだよ。なんだ、また暴れんのか!暴れろよ、ほれ、みんなこっち見てるぞ。いててて、放せ、バカ!いてえってんだよ!結局、おまえだって技術見せるしかなかったんだろ、そうだろ!なにすりゃいいのかわかんないんだろ。映画も音楽も漫画も、今まで川を流れてたのが、みんな海に出ちゃったみたいなもんなんだ。だからどっちに行けばいいのか誰もわかんないんだよ。海だよ、シーだよ、オランダ語だったらゼーだろ!ゼー!ゼー!わかるか?アンダスターン?ゼーだよ!ん?そうそう、ゼーだよ。わかったか?おー、そうそう、ゼーゼー。ん?そりゃタコだよ、確かにゼーだけど、オレが言ってんのはちがうんだよ!なんでわかんないんだよ!
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: サスペンス
