実は帯状疱疹の時に2本見てました。前回の「ローズ・イン・タイドランド」と、タイの映画「心霊写真」です。「心霊写真」、なんかの雑誌で「こわい」とかモチ上げられてたんですが、ただのパクリっこアホンダラ映画でした。その雑誌名とかここで発表するつもりはないですが、この映画を「こわい」と書いた評者は生まれてはじめてホラー映画を観たか、観もしないでテキトーこいてるか、実はおすぎかのどれかじゃないでしょうか。日本中、それぞれのレベルでみんな未熟、無責任になり、機能しなくなってきてるような気がする昨今です。ほら、今日もまたどこかの会社の社長とか重役がテレビカメラの前で、いっせいに頭下げて薄くなった頭頂部見せてたりしませんか。うーん、帯状疱疹やると怒りっぽくなるのかな。実はまだ完治してないんですが。
いくらなんでも「東京フレンズ」とか「UDON」とかを観に行く気はないので、DVDで「マスターズ・オブ・ホラー」のシリーズを観ることにしました。もともとはケーブル・テレビ向けに制作されたこのシリーズ、ワタシのような昭和からのホラー・ファンにとっては、まさに錚々たる、そして燦然と輝くメンバーが競作しています。
ジョン「遊星からの物体X」カーペンター、スチュアート「死霊のしたたり」ゴードン、ダリオ「サスペリア」アルジェント、トビー「悪魔のいけにえ」フーパー、ジョン「ワイルド・シングス」マクノートン、ドン「ファンタズム」コスカレリ、ジョー「ハウリング」ダンテ、ジョン「狼男アメリカン」ランディス、ラリー「悪魔の赤ちゃん」コーエン、ラッキー「MAY」マーキー、ウィリアム「TATARI」マローン、ミック「スリープ・ウォーカーズ」ギャリス、そして三池「オーディション」崇の13人。これにジョージ「ゾンビ」ロメロとウェス「スクリーム」クレイブンを加えると、ほぼ完璧なホラー・マスターズになります。
しかし、これほどのマスターたちと言えども、三池崇と何人かを除けば、ほとんど新作を撮れない状況になっているのが、ここ10年ぐらいの映画界です。なぜ撮らせてもらえないのか。「ヒットしないから」、それもあるでしょう。「おもしろくないから」、それもあるでしょう。「もう誰も知らないから」、それもあるでしょう。しかし、結局みんな高齢になったからです。年寄りになってしまったわけです。つまりリストラされたわけです。これは上記、今の日本の状況に似ていませんか。熟練したプロフェッショナルの高齢者をクビにし、右も左もわからない思考停止のヤングマンばかりに任せるから、不祥事と不良品と不条理なことばかり起きます。ここは一発、このホラー・マスターたちに、熟練したプロフェッショナルのパワーを、世界中に再確認させて欲しい!さぁ、その一番手は、ジョン・カーペンター「この世の終り」と、スチュアート・ゴードン「魔女の棲む館」の二本立て!!
おおー!あぁー、え?う、うーん………あー…………。
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2006年08月26日
マスターズ・オブ・ホラー
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー
2006年08月17日
ローズ・イン・タイドランド
帯状疱疹にかかりました。居眠りしてる時にメガネでこすったんだろ、とか思ってツバつけといた右眉の赤い傷、それがだんだん白く広がってきてヒリヒリする。どうも治りがよくないので、土曜日に内科から外科から泌尿器科から皮膚科までやっている近所のヤブ医者へ行くと、「ヘルペスかも」と言う。やおら本棚の前に行き、皮膚病関係の巨大な書籍を引っぱり出してきて、最悪のヘルペス患者のサンプル、この人このあと死んだでしょう、としか思えない写真まで見せられながら、いつ頃なったのかと聞かれたので、火曜日あたり、と答える。そしたら医者は「じゃぁヘルペスじゃないかも」などと言いつつ、抗菌剤と消毒液だけ出して、自分は翌日から5日間のお盆休みに突入してしまいました。それでそんなに大事と思っていなかったワタシも、3日前にケンカで負けました、みたいな顔のままノコノコ映画館へ。
ところがその夜からカサブタが広がり、周辺にヤケドの火膨れのようなものができるわ、まるでお岩のような顔になるわ、全身に水疱ができるわ、右側頭部にかけてパルス状の強烈な頭痛が走るわで、これはたまらんというわけで翌日、急患なら日曜日も診てくれる病院を探しました。最初に、ワタシの人間ドックのデータもある病院へ行ったら「皮膚科の先生がいないので」と断られ、次に15年ぐらい前に一度救急車で運び込まれたことがある病院へ。ほー、建物新しくなったなぁ、大きくなったなぁ、などと言いながら、入って行くと、診てくれるというのでホッとする。診察室で待っていると、休日当番の医者2名、ともに若いイケメンが出て来たので、運転手兼付き添いの嫁さんも心なしかウキウキ。よかったな、嫁さん。イケメン医者2名、慎重な協議の上、「帯状疱疹でしょう」ということになり、ちょうど少し残ってたという抗ヘルペス薬と軟膏を出してもらい帰還しました。今はもう治りかけです。
で、その土曜の夜に観たのが、テリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」です。「サイレント・ヒル」にも出ていたジョデル・フェルランドちゃんの主演です。ジョデルちゃん、いいです。結局、これ、完成、即カルトになっちゃったような映画です。稀代のビジュアル・アーチストとしてのギリアムの才能を再確認するようなシーンもありますが、オタクを野放しにするとやりたいようにやってしまうというか、隣の席の若い女の人が画面を正視出来ずにうつむいてしまうようなシーンもあります。そのシーンをおもしろがるにはワタシはもう身も心もゾンビ過ぎるので。
じゃぁ、大したことない映画かというと、ひさしぶりにギリアムらしいギリアムの映画です。しかし、ワタシはこの映画を観逃したとしても後悔しなかったでしょう。もちろん、観て後悔したわけでもないですが。でも、ヘルペスなのにおとなしく家で寝てればよかったという後悔はあります。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ファンタジー
2006年08月10日
力道山
映画館まで行こうかと思ってたんですが、結局行きそびれてしまった「力道山」、主演のソル・ギョングは驚愕映画「オアシス」で、驚愕の主人公にして、驚愕のレイプ・シーンを演じてみせた、驚愕の名優です。この「力道山」でも体重を増やし、マッチョに変身して、見事に日本語をしゃべって見せます。でもシナリオがほどよい伝記物になってしまっていて、ピカレスクとしての力道山を期待したワタシとしては、ちょっと残念です。今まで書かれた本や人の談話を読むと、リキドー、もっとひどいヤツだったんだけどなぁ。それをソル・ギョングが演じたらおもしろかったのに。
もう一本、ついでだからこれまた朝鮮の英雄である大山倍達の若き頃のフィクション「風のファイター」も観ました。え?平山あやが出てた?うーん、そこに行き着くまでに寝てしまいました。あははは。でもなんで平山あやなのよ。
困ったなぁ。最近は夏休みのお子チャマ映画ばかりなので観たい映画もないっス。51歳のオヤジがひとりで「ゲド戦記」観に行くという図もどうかと思うし。
そうそう、ひさしぶりに漫画本を読みました。ワタシがかねてより畏敬し敬愛していた吾妻ひでおの「うつうつひでお日記」です。その前に読んだ漫画本というのが、同じく吾妻ひでおの「失踪日記」なので、ワタシここ10年ぐらい、最後まで読んだ漫画本というと吾妻ひでおだけです。その「うつうつひでお日記」を読んでたら、拙著「Sink」のことを誉めてくれていたのでとてもうれしかったです。しかもオカネがない頃なのにわざわざ買ってくれていたとは。不覚にも落涙。「失踪日記」を読んでた時もそう思いましたが、「うつうつひでお日記」に出てくる吾妻ひでおをうしろから抱きしめたくなりました。吾妻さん、漫画家なんてどうせそのうち仕事なくなるか、死んでしまうか、どっちかなんだから。
本をもうひとつ。その昔ワタシがエロ劇画誌に描いていた頃の担当だった人が書いた本です。本屋の棚で「出版業界最底辺日記」というタイトルを見た時、「多田さんとか山崎さんとか塩山さんが書いた本じゃないだろうな」とか思って手にとったら、まさにそのひとり、塩山芳明氏の著作でした。本書いてたとは知らなかったので驚愕。まさに街でバッタリ20年ぶり!みたいな出来事です。塩山さん、誰にでも毒づくのが芸なんですが、この本でも周囲360度に毒づいてます。ワタシも連載やめさせてもらう時に「てめえは言語障害のジャイアント馬場か!」と毒づかれました。でも塩山さん、ここまで読書家だったとは。そしてなんつうかカッコイイっス。自分の生き方やめねえもん。20何年前、西川口のアパートに多田さんと山崎さんといっしょに泊めてもらって、朝メシに食わしてもらったカレーの味が忘れられません。部屋の中に飾ってあった映画ポスターと本棚の中の花田清輝全集をからかったワタシが未熟者でした。なんつうか、夜、新幹線通勤で群馬に帰って行く塩山さんをうしろから抱きしめたくなったっス。ありがとございしたあぁ!!
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ
2006年08月02日
真夜中のピアニスト
以前「リード・マイ・リップス」というDVDを観たんですが、これがまたよく出来た脚本と上滑りしない演出で、腹にずっしりとくるサスペンスでした。その監督ジャック・オーディアールの新作「真夜中のピアニスト」、と言ってもDVDですが、ビデオ屋で「新作」から「一週間」になるまで待って借りました。なんで待ったのかというと、ワールドカップだったというのもあるんですが、どうせ誰も借りないだろうから「新作」のうちに慌てて観なくても、というのと、おもしろいだろうことはわかってるから、という理由です。
実際、「新作」のうちは誰も借りていないようでした。そしてワールドカップが終わって「一週間」になって、さぁ観ようと思ったら、なんと誰かが借りてしまっていてなかなか戻ってこない。たぶんその客も「一週間」になるまで待っていたんでしょう。観られないとなると観たくなるのが人情なので、だんだんイライラし、いったいいつ戻ってくるのかビデオ屋の店員に確認させようとしたら、店員、迷惑そうな顔のまま一応調べていたが、「ちょっとお待ちください」などと言いながら、なぜか棚の方までパッケージを確認しに行ったので、その隙にその顧客のパソコン画面を写メールでパチリ。こいつ、メール配信を希望して携帯のメルアドまで登録してるぞ、マヌケめ、わははは。そこでその場で「「真夜中のピアニスト」を早く返せ、ばかやろー!」などとメールしてやったということはなく、おとなしく待ってたんですが、こういうのは気になります。自分以外に誰が観たのか。そしてその人はどういう人なのか。男か女か。若い人かはたまたオッサンか。思いは千々に乱れ、妄想は妄想を呼び、ベタなラブストーリーの1本や2本すぐ作れそうなぐらいです。
当然、その女の子は突発性外出不安症候群などという難病持ちで、1週間に一度しか外出できない。男の方は毎日ビデオ屋と本屋に寄らないと帰れない婚期逃した文系オタクだったりするわけです。そしてある日、ビデオ屋の前に路駐していた日産マーチが前後を同じ路駐車に挟まれてしまって出られなくなっているのを見かける。運転席にはおばさんが途方に暮れたまま乗っていて、ダッシュボードの上には障害者駐車許可証のパスが置かれていた。なんとはなしに後部シートに視線を移すと、薄暗い中に髪をひっつめに結わえただけの若い女が乗っていて、軽くうつむいて怯えているようなその顔を見たヒロシは、突然、この人こそが「真夜中のピアニスト」を借りた女性だと確信したのだった。などというフニャケた話などよりは、よっぽどおもしろかったです、「真夜中のピアニスト」。特に主人公にピアノを教える中国人の女優の存在感は圧倒的でした。たとえはよくないですが、まるでリー・リンチェイ先生をはじめて見た時のような。あははは、どんな女優だ。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: サスペンス
