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2006年07月28日

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」、略して「パイカリデッチェ」です。えー「パイカリデッチェ」、嫁さんと子供が楽しみにしていたので、またまたワタシもノコノコついて行きました。「カネあるんだからこれぐらいはやってるだろう」という予断でもって観ていましたが、まさに「これぐらい」という感じで、多くもなし少なくもなしです。でも、たぶんみんなもう少し笑かして欲しかったんじゃないでしょうか。1本目よりさらにコメディ色強くするのが正解だろと思いましたが、なんか「つづく」で終わってるのでこれは前篇で、後篇はキース・リチャーズも出るみたいだし、爆笑コメディ路線になってるかもしれません。キースがヤシの木から落ちるギャグとかもやるのかな。やるわけないだろうけど。
今回ももう1本。「クラッシュ」です。今年のアカデミー賞作品賞です。監督のポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いた人です。ある交通事故によってロサンゼルスに住むいろんな人たちのいろんなことがあからさまになり、人種差別、貧困、病気、犯罪、暴力、そして愛がグルグルと渦巻いてハリケーンのように通り過ぎて行くと、あとには「人は一面的なものじゃないでよ」というテーマが落ちているという群像劇です。ひさしぶりにロスの風景を観たくて借りてきたんですが、これも「アカデミー賞なんだからこれぐらいやってるだろう」という予断で観てしまいました。もう今の時代「予断」なしでなにかを観たり、聞いたり、読んだりするのは不可能なんじゃないでしょうか。そしてその予断を越えるものなど、もうなかなかないということです。
例えば「クラッシュ」の場合、ワタシの予断の素になる作品というと「ミリオンダラー・ベイビー」とアルトマンの「ショート・カット」とクローネンバーグの「クラッシュ」です。さらに言えばポール・トーマス・アンダーソンの「マグノリア」も入るだろうし、ひどい場合には「ゴッドファーザー」さえ立ちはだかってきます。この予断の作品群を踏み越えて2、3年後もその記憶をワタシのボロボロの脳髄に刻み込んでいられるものなど、もうめったなことじゃありえないでしょう。
それでは「ミリオンダラー・ベイビー」も「ショート・カット」も「クラッシュ」も「マグノリア」も「ゴッドファーザー」も観たことがない人が、この「クラッシュ」を観た場合どうなるのか。もしそういう人がいたら、「死ぬまで憶えてるだろうこの10本」とか「嫁の悪口は言ってもこの映画の悪口は言えない1本」とか「棺桶に入れてモロとも焼いて欲しいこのDVD」とかに、この「クラッシュ」を選ぶかもしれないです。でもたぶんその人は映画なんか観なくてもいい人なんじゃないでしょうか。最近は映画なんか観なくてもいい人ばかりになったような気がします。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アクション

2006年07月22日

輪廻

「呪怨」の清水崇監督の作品ですが、優香が出てるので観てみました。DVDです。優香か。優香を嫌いな男はまずいないでしょう。その優香の演技をちゃんと観るのは実ははじめてです。優香って俳優でしたっけ?アイドル?まぁ、歯科助手でもなんでもいいですが。
それで優香はどうだったかというと、優香、がんばってます。がんばってるけどパッケージの優香の表情が一番いいです。映画としては、清水監督が今までやってきたことをまたやっているだけなのでそんなに新味はない。みんなを驚かせたり怖がらせたりする「お化け屋敷」のような映画です。だからまったくムダというものがない。そういう意味では昨今の日本映画そのものです。
同じ時期に「5時から7時までのクレオ」という60年代のおフランス映画も観ました。これもDVDです。なんでもヌーベルバーグの頃の映画だとか。主人公の若い女が自分は癌だと思いこみ、医者に行って、その診察結果が出る5時から7時までを描いた映画です。いいアイディアですね。このアイディアあればあとはなんとでもなるだろと思ったら、ほんとに好き勝手やっています。お茶を飲んだり、買い物したり、恋人に会ったり、変人に会ったり、パリの街をクルマでグルグル回ってる。これはほとんどムダばかり。でもこのムダさ加減が人生そのものだというニュアンスも含まれています。そしてもちろんオチは「診察結果の発表」です。いい感じです。ヤボじゃない。
それからもう一本。これは映画ではなくて小説です。しかも私小説。あははは、まぁまぁ逃げないで。西村賢太という人の「どうで死ぬ身のひと踊り」。芥川賞の候補にもなったとか。主人公、昔の小説家の藤澤清造オタクです。藤澤清造の原稿から手紙、果てはお墓まで蒐集し、自分は働かず、女にタカり、女の親からカネを借り、ひがみ、ねたみ、女を殴り、女を蹴り、逃げると謝ります。サイテーのDV野郎です。弁解するところも含めて一切弁解なし。しかもガチンコです。そのうちほんとに女が逃げて行くだろうことを予感させて終わります。どうしてこんな小説書くんでしょう。どうしてこんな小説読むんでしょう。これってまるっきりムダでヤボな世界でしょうか。いや、ワタシはこういうものこそムダとかヤボから一番遠いところにあると思うんです。ほんとにムダでヤボなのはセレブとかお金持ちとかグルメとかスピリチュアルとか諸々の方でしょう。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー

2006年07月11日

サイレント・ヒル

土曜日、ベガルタ仙台の試合がナイト・ゲームだったため、映画には行けませんでした。それでまたまた雨の日曜日に家族でシネコンへ。
今回は「サイレント・ヒル」、ゲームが原作です。昔、嫁さんと子供が「うひゃーっ」とか言いながらプレイしているのを見かけたことがありましたが、アッと言う間に止めてしまったので、もうクリアしたのかと思ってたら、両名とも、あまりにこわくて止めてしまったとか。ワタシはゲームが「こわい」というのがよくわからないので、夜、わざわざ電気を消して「バイオハザード」なんかをプレイしている嫁さんを微笑ましく見守りながらも、「そりゃ電気消してたらなんだってこわくなるだろ」とか思ってましたが。
基本的にホラーはダメな子供も今回だけは嫁さんに引きずられたのか、意を決して同行することに同意しました。さぁ、行くぞ!もう後戻りは出来ないぞ!あははは。
これは「ジェヴォーダンの獣」のクリストファー・ガンズ監督ですね。ガンズ、日本オタクらしいです。漫画とかゲームとか。それにしても小池一夫&池上遼一の劇画「クライング・フリーマン」をフランス人がフランスで映画化したという事実だけで驚くというか、呆れるというか、おまえなぁというか。「ジェヴォーダン-」も観てるんですが、前半は素晴らしいものがありました。というわけで、「サイレント・ヒル」、同じくゲーム原作のホラー「ハウス・オブ・ザ・デッド」のようなアホバカマヌケ映画になっているとは思えないので、「たぶんね、これ、こわいよ、うん」などと子供に必要以上に前振りし、目はいつでも半眼にしておくように、などとホラー映画を観る場合の無駄なテクニックも講釈し、ほらほら、はじまるよー、もうどこにも行けないよー、いひひひ。
おぉー!ひさしぶりのハードコア!いいぞ、いいぞ、ガンズ。嫁さんもいたく感動したようで、めずらしくパンフレットなど購入。このインターネットの時代にそんなの買ってもカネの無駄ですが、ワタシも「オールド・ボーイ」を観た後「なにかしなければ!」などとうなされつつパンフを買ってしまったことがあったので、その気持ちはわかります。
しかし、子供だけはぐったり、うんざり。もう二度と親とホラーを観たりしないかも。考えてみれば、ワタシが「ゾンビ」を観て戦慄したのが23歳の時、とてもおっかなかったです。なのにウチの子はまだ14歳。もしかしたら「サイレント・ヒル」がトラウマ映画になってしまうかも。まぁ、トラウマ映画を持つことが映画ファンへの第一歩かとも思うので、それはそれでしょうがないか、などと親の身勝手な考えのまま帰ってきて、その夜にワールドカップ決勝を観る。ジダン、ヘッドバッド一発でワールドカップ決勝戦にして現役最後の試合を退場。自分のしでかしたことに呆然と立ちつくすジダン、ワールドカップの脇を抜けてひとり階段を下りていくジダン、かっこいいぞ、ジダン。これぞ、サッカー。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー

2006年07月06日

カーズ

朝から強い雨の日曜日、ワールドカップ、ヒイキのアルゼンチンが負け、嫁さんお薦めのブラジルも復活したジダンのフランスに負けて敗退、この前のテストの結果も芳しくなく毎日勉強々々でウンザリの子供、家族揃って今いちの日曜日、シネコンに行く前にカメのエサと石を買う予定で早めに出たら、嫁さん勝手口の鍵を締めたかどうか不安になり、戻るの戻らないの、結局ワタシだけDIYの店に下ろして、自宅に戻って戸締まりの確認へ、ワタシの買い物はあっと言う間に終わったので、また強くなった雨を見ながらひとりDIYの店の軒先で待つこと10分、ようやく現れたクルマに乗り込んで「カギ閉まってた?」とひと言聞くと、嫁さん「うん」とこれまたひと言、車中なんとはなしに不穏な雰囲気、これではいかんとワタシ「ガムいる?」と嫁さんと子供にガムを回すと、家族3人のガムを噛む音ばかりが響くなり車中の夕まぐれ、混みだした国道、雀荘&ビリヤード屋、ネットカフェ、空き地、仏壇屋、新しくできたラーメン屋、新しくできためし屋、ちょっと前にできたショッピングモール、つぶれたそば屋、サラ金の無人店舗の連なり、パチンコ屋の連なり、ラブホの連なり、眺めるのもうんざりするような景色を眺めながらなんとか上映10分前にシネコン着、「カーズ」だろ、ピクサーだろ、しかも監督は「トイ・ストーリー」のラセッターだろ、だいじょうぶ、おもしろいはずだから、と思いなおしつつ入ったら、上映作品がアニメのため予告篇も日米のアニメばかり、なんだか損した気分になり、こんなの1本もヒットしないって、などと内心毒づくワタシ、しかも予想したとおり冷房効きすぎて早々と五十肩が痛み出したところで映画スタート、キャラクターが全員クルマということで、どんなアニメーションを見せるのか密かな期待を持って見守るも、どうもベタなまとまり方のまま進行、ベタなまとめ方のまま終わってしまう、ラセッターなのにこんなはずはないだろうと思っても、もうエンドロール、恒例のNG集とオマケ映像の方が本編よりも楽しかったです、と言ってしまったら傷つくだろうなラセッターも、家族そろってなんとなく無言のまま外に出ると、いつしか雨は止んでいたので同じ敷地内にあるファミレスへ、ひさしぶりにハンバーグなど食べていたら、斜め向かいのねえちゃんたちがやかましい、最近はどこにいても自分の家のように振る舞うヤカラらが多すぎる、さっさと食べてさっさとクルマへ、車中「カーズ」についての批判を嫁さんとワタシでひとくさり、「ミスター・インクレディブルはよかった」という話になり、ワールドカップのグチになり、嫁さん「ガムくれ」という意味の手を出したのでまたガムを一個あげ、明日は晴れかもという予感の霧の中を自宅に帰りつくと、なぜか三人とも少し気持ちが軽くなっていたのです。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アニメ