ようやく仙台に来ました、クローネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、仕事もアタフタと切り上げて街中の映画館へ。午後に見た地元ベガルタ仙台のホームゲームも5−1という久々の大勝だったため、割といい感じで映画館入りしました。オープニングは不安と不吉と不快と不機嫌をはらんだワンシーン・ワンカット。いいじゃない、いいじゃないクロちゃん。なんか久しぶりに「映画がはじまった」という感じがしました。
役者もいいです。ヴィゴ・モーテンセン、ウイリアム・ハート、そしてエド・ハリス!こりゃぁガチンコだな、という雰囲気がプンプンします。嫁さん役のマリア・ベロも人妻っぽくていいです。ヴィゴさんのためにわざわざチア・ガールのコスプレしてくれたりする出来た嫁です。
ネタ自体は昔の西部劇というか、健さん映画のパターンでしょう。過去を消して、今は地域社会の良き住人として生きている元組織の人というかヤクザというか殺し屋というか。それがある事件をきっかけにマスコミで報道され、昔の仲間が居場所を嗅ぎつけてやってくる。最初はトボけつつも、家族にちょっかい出されて家庭崩壊寸前。とうとうキレて組織の根城に殴り込み。いよっ、待ってました、健さん!と掛け声が飛びそうな展開ですが、そういうカタルシスはなくて、後味が悪いというか、つまりガチンコの健さん映画になってます。
とにかく「バイオレンス」と「ラブ」、そのふたつの出し入れがシンプルで、無駄な展開がありません。原作がアメコミだということもあるんでしょうが、クローネンバーグがこんなにわかりやすいものを撮るとは思っていなかったのでびっくりしました。いつもの猟奇的器具とか性的トラウマとか尻の穴にしか見えないものとかは一切なしです。
この映画を見て、「クローネンバーグはブッシュのやったことを容認している」とかいうタワケた人もいたそうですが、そんなスピルバーグみたいなことをやりたいわけじゃないでしょ、クロちゃんは。
つまりクロちゃんが言いたいのは、バイオレンスはなくならないし、貧困もなくならないし、差別もなくならないし、いじめもなくならない、だからそれを子供にもちゃんとそう教えなさい、その上で生き延びて行くしかないんだから、この国には希望がないとか夢がないとか自由がないとか、グダグダ言ってねえで、まず目の前にいるそのアホウをぶん殴って逃げちまえ!ということだと思います。うーん、ちょっとちがうかな。でもこの映画はぶん殴って逃げてしまったあとの映画なんですが。
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2006年05月25日
ヒストリー・オブ・バイオレンス
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ
2006年05月18日
春の雪
さて映画を観に行かねばならん、と思って出かけた土曜の夜、結局、本屋をウロウロして晩飯食っただけで帰って来てしまいました。リュック・ベッソンの「アンジェラ」か、ジョージ・クルーニーの「グッドナイト&グッドラック」でも観ようと思ってたんですが、シネコンのチケット売場がやたら混んでいて、「トム・ヤム・クン」か「海猿」でも観にきたとおぼしき人々がカンフーの型やりながらゲハゲハふざけ合ってたり、パーカッションとしか思えないような最近流行りのサンダルを履いた女の人が、わざとらしくカンカンカンカン足音を立てながら行き交うのを見て、早々に退散しました。昔の映画館だと、この映画を観にくるのはこういう人だろうとか読めてたもんですが、もうシネコンだとそうは行かないです。同じ場所でいっしょに時間を共有するのさえ躊躇われるような人も多々見かけます。これではまるで飲み屋じゃねいか。あぁ、オレどんどん日本とシネコンが嫌いになるなぁ。
それでDVDで半分だけ観た「春の雪」をレビューしたいと思います。「半分しか観てないのにレビューするな!」という声が聞こえそうですが、まったくです。しかし、竹内結子を観たかっただけなので半分観れば十分です。十分なわけねいですが。
前にもこういう見方をした映画があります。「北の零年」です。これも行定勲監督でしたね。この時も吉永小百合を観ようと思って借りたんですが、やはり半分ぐらいで返してしまいました。よくなかったのかと言えばそんなことはないです。吉永小百合も竹内結子もとても美しく、行定監督は女優を撮れる数少ない監督だと思いました。しかし、なんと言っても、「北の零年」で描かれる物語と「春の雪」で描かれる物語にワタシは興味がないので半分だけ観て返してしまったというわけです。
「北の零年」はともかく、「春の雪」は三島由紀夫の原作です。実はワタシ、昔から三島の小説ってわかんないんです。なんでこんなことで悩んだり苦しんだりしてるのか、三島本人もなんで自衛隊で切腹したりしなけりゃなんないのか。例えはよくないかもしれませんが、最近あった平塚5遺体事件の容疑者の岡本千鶴子というおばはんから見たら、こんな世界チャンチャラおかしいんじゃないでしょうか。あ、ワタシ、世の三島ファンに殴られるかもしれない。すみません、とんでもない暴言してしまって。
ワタシが今、ワールドカップよりも興味があるのはこの岡本千鶴子です。この人の自伝を映画化するんならまた行定監督にやってもらって、岡本千鶴子役の女優さんを美しく美しく撮っていただきたいと思います。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ
2006年05月12日
ブロークン・フラワーズ
うーん、前回のを読み返してみると、やはりちょっと熱が出てたみたいで、なんか変に調子コイてました。実はカゼ、まだ治ってないんですが。
えー、今回は「ニューワールド」にしようか、「ブロークン・フラワーズ」にしようか迷いました。でもシネコンだと「この人が隣の席だとオレ困る」という感じの人が最近多いので、町中の映画館でやっているジャームッシュの「ブロークン・フラワーズ」の方にしました。カンヌ映画祭グランプリ受賞だそうで、そのつもりで観たわけではないんですが、これがグランプリと言われると、そういうもんなのかなという感じです。おもしろくないということはないですけど、なんというか、口下手なヤツと2時間いっしょにいたような、もっと話すことあったんじゃないの、というか、なんか心残りがあります。でもジャームッシュなんだからこれでいいのかも。
この前、「火火」という映画をDVDで観たんですが、田中裕子演じるところの陶芸家の先生が、弟子の作っているモノを「うまく作ろうとするな!」と言いながら、グシャグシャ潰してしまいます。この「ブロークン・フラワーズ」だったら、その先生にも誉めてもらえるかもしれないですね。それだけルーズというか、シンプルというか、アッケラカンです。いや、やっぱりグシャグシャにされたりして。
ジャームッシュはいつもこんな感じだと言えばそうなんですが、その前に観た「女優のブレイクタイム」と「コーヒー&シガレッツ」には、サスペンスというか緊張感というか、ジャームッシュにもっとも似つかわしくない言葉で言えば、「野心」というものを感じました。「ゴースト・ドッグ」を観た時もそうでしたが。野心がなくなったジャームッシュはウディ・アレンになってしまうと思います。
いや、はっきり言っちゃうと、ワタシ最近のビル・マーレイは好きじゃないんです。もともとそんなに好きじゃなかったですが。この映画のビル・マーレイは演じることを放棄してるというか、まさに「うまく作ろうとしていない」見本のようなものじゃないですか。このビル・マーレイだったら、田中裕子の陶芸の先生にも誉めてもらえるんでしょう。いや、いつにも増してグシャグシャにされたりして。あははは。ワタシに言わせれば、この映画のビル・マーレイのようなやり方が一番「うまく作ろうとしてる」ように見えるんですが。
ワタシなんかはデビュー以来、いつも色気出して「うまく作ろう、うまく作ろう」としてきました。だから田中裕子先生には一生認めてもらえないでしょう。ただ、「うまく作ろうとしなくなる」のは「うまく作ろう、うまく作ろう」の果てにしかないものだと思います。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ
2006年05月05日
アンダーワールド エボリューション
「アンダーワールド」、ワタシがこの映画をヒイキにするのは、主演のケイト・ベッキンセールの「このラバースーツを脱ぐ時って、プープー、オナラみたいな音がするのよ、ウフフ」という一言によってです。ワタシはその時からこの映画のヒロインであるセリーンに萌えたのでぃした。
キタ━━━━━━\(゜∀゜)/━━━━━━ !!!!!
しかしケイト、デビュー作の「月下の恋」以外の映画では今イチです。出る作品ごとに「また整形したんじゃないか」という印象しかない。やっぱりセリーン役がサイコーっス。眉間のシワ、ブルーの瞳、半開きの口、華奢な姿態を包む漆黒のラバースーツ、そのセリーンが吸血族と狼族のギドギドガブガブの暗闘の中に叩き込まれる時、う、うーん、いいっス。(≧∀≦)/イイ!!
ケイト、こう見えても10代の頃から小説や詩をモノして賞をもらい、オックスフォード大中退の才媛だそうで、冒頭のセリフもワタシのようなアホウなオヤジ向けに計算されたコメントだったら…、うーん、ま、計算されたコメントなんでしょうね、やっぱり。
監督のレン・ワイズマン、実はケイトが嫁さんです。こういう女を嫁さんにするのもどういうもんかな、と思うんですが、どういうもんなんでしょうね。
例えばワタシ、ゴールデンウィーク真っ最中だというのに休めない。その前の春休みも家族をどこにも連れて行けなかった引け目から、嫁さんと子供だけを東京に遊びに行かせて、自分はひとり仕事。しかも今朝起きた時、風邪かなと思ったんですが、夕方になってからなんだか寒気がして熱が出て来たような。こりゃ早めに終えて、その辺で晩飯に鍋焼きうどんでも食べて帰るしかないんですが、家に帰っても誰もいないのでひとりゴホゴホ咳しながら寝るしかない。こういう亭主を見たらケイトはいったいどうするでしょう。どうしてくれるのでしょう。さぁさぁ、ケイトどうしる?どうしる?え?早く帰って寝ろ?
うーん、そりゃそうだ。(・∀・)カエル!!
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー
