#12 あの感じ
クオリアという言葉があります。最近だと茂木健一郎という人が使ってますが、もともと哲学用語だとか。ネット辞書のWikipediaを覗いてみたら、クオリアは「あの感じ」という言葉で表現されている。そうそう、「あの感じ」なんだなぁ、と思ったわけです。例えば、コーラとかまんじゅうのことを考えた時に頭に浮かぶ「あの感じ」については、たぶんみんなあまり違わないんでしょうが、色についてはどうですかね。ワタシは緑色を見ると、なぜかとても懐かしい気分になります。なんか子どもの頃に緑色にまつわる思い出があったんですかね。
あとは「ポール」という言葉を言ったり見たりすると、なんかアイスキャンディーを思い出します。コーヒー色の棒アイス、それが「ポールなんとか」っていう名前だったのかなぁ。「ヘイ・ポーラ」という歌がありますが、「ポール」と「ポーラ」が似ているためか、「ヘイ・ポーラ」という言葉でも「ポール」と同じ「あの感じ」が出てきます。なんかいい加減ス。
ここまで読んで、「あぁ、わかるわかる」と思った人が何人ぐらいいるのか知りませんが、みんなそれぞれの「あの感じ」を持っているんでしょう。誰にでもある「あの感じ」としては、地平線近くの遠い空を見た時の「あの感じ」があります。または遠くに見える山。見るとなんか感じるでしょ。それが「あの感じ」です。
ワタシの言うところの「あの感じ」は基本的に懐かしいものです。この前は、朝、目が醒めて、カーテンの隙間から少しだけ覗いている青空を、寝起きの頭でボーッと見ていたら「あの感じ」がビロビロ出てきました。たぶん子どもの頃に同じような状況になった時、なにかを感じたんでしょうね。その感じたことが甦る。その感じたことというのは、たぶん世の中に対しての自分の印象だと思います。もしかしたら「はじめての印象」かもしれない。たとえば草むらに寝ころんでみると、その時に頭の中に広がる「あの感じ」というのは、「はじめて草むらに寝ころんだ時の印象」のような気がするんですよ。
とにかくワタシは「あの感じ」が好きです。好物と言ってもいいかもしれない。ですから毎朝風呂に入りながら、窓を開けて露天風呂気分で「あの感じ」をやってます。見えるものと言っても、物干しと庭の木とその向こうにある空だけですが、それで十分です。木を見て「あの感じ」、葉っぱを見て「あの感じ」、空を見て「あの感じ」、最近は訓練が効いてきたのか、自分が生きてきた、どこにでも、どの時代にでも行けるような気さえしてます。「あの感じ」が増えるばかりの今日この頃っス。
