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「ぼのぼの感想文コンテスト」審査結果発表!!

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■審査結果
【最優秀賞】
 『夢への原動力』 しまっちゃう高生さん(東京都)
【優秀賞】
 『ぼのぼのと私』 ピーさん(埼玉県)
【優秀賞】
 『「ぼのぼの」というものは』 yakkoさん(千葉県)
受賞者へは賞品として「いがらしみきお直筆表彰状」「ぼのぼのバスタオル」を贈呈いたします。賞品の発送は10月中旬の予定です。
(発表はペンネームですが表彰状には本名を記載いたします)
■総評
みなさんがとても深く「ぼのぼの」を読んでいてくれていることを知り、作者としてたいへん感激しました。ご応募ありがとうございます。
全ての応募作を読み、そして選んだのがこの三作品です。
選に漏れてしまった方のことを考えるととても残念ですが、みなさんすべてに賞を上げたいと思うほどでした。
これだけたくさんの人に、それぞれの「ぼのぼの」があることを知ると、「ぼのぼの」という作品はほんとにしあわせな漫画だと思います。
作者としてさらなる覚悟で望んで行くつもりですので、これからも「ぼのぼの」をよろしくお願いします。
審査委員長いがらしみきお
■受賞作紹介
【最優秀賞】
『夢への原動力』 しまっちゃう高生さん(東京都)
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一度は諦めかけた夢を「ぼのぼの」が呼び覚ます。本というのは時としてそういう力をくれるものです。自分が思ったこと、感じたことを誠実に書こうとしている点にとても好感が持てました。 (いがらしみきお)
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 僕は、ぼのぼのに出会うまで幼い頃思い描いていた夢を諦めかけていました。それは漫画家になるという夢…。
 ぼのぼのに出会う前に僕が見てきた漫画はどれも同じような枠にとらわれ、「漫画はこうでなくてはならない」と決めつけられているようでした。僕はそんな漫画が描けるほど器用ではありません。それに気がついた時、自分は自分の描くようにしか絵を描くことができないのだから、漫画家は諦めるしかないと思いました。
 しかし、ぼのぼのという漫画を手にした時「ここで夢を諦めるほど下らないことはない」と強く思ったのです。
 何故ぼのぼのを手にしたのか今だに不思議ですが、もしかしたら「グーゼン」が重なってそうなったのかも知れません。
 こうしてぼのぼのにある意味運命的な出会いをした僕は、その世界観にどんどん惹かれていきました。一方では身近な疑問を解決に導いてくれ、もう一方では人生を深く見つめ、というような視野の変化は僕にとって大きな衝撃でした。
 特に衝撃的だったのは十巻にのっていた、
「何か探すんだったら
 道をまちがえちゃぁいけないよ
 ひとつでもまちがえると
 もう見つからないよ
 でもまちがえても大丈夫
 別なものが見つかるから」
です。
 これを見た時、心の中で「失敗してもきっと何か得られるはず」と割り切ることができ、不安やためらいが消えたのです。
 そう考えると、ぼのぼのは魔法のような漫画です。もちろんいがらし先生の漫画はぼのぼのだけでは語り尽くせない面がありますが、ぼのぼのにはいがらし先生の漫画の良さが凝縮されているような気がします。
 僕は、そんなすばらしい漫画を作り続けているいがらし先生に憧れているのです。いがらし先生が永島先生をカッコイイと思ったように。そして今、漫画家という夢を追っているのです。
 正直、ゴールがどこにあるか分かりません。
 ましてや本当の意味での漫画家になるなんて、まず不可能でしょう。それでも追い求めたい。追い続けられる限り。
 ぼのぼのは夢への原動力です。いや、ぼのぼのは僕の夢そのものです。
 ――夢をありがとう――
【優秀賞】
『ぼのぼのと私』 ピーさん(埼玉県)
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――ぼのぼのと一緒に私もこの森で学んでいるんだな――
まるで「ぼのぼの」の巻頭詩のように簡潔な文章の積み重ねが作り出す世界観は、ピーさん本人をとてもよく表わしていると思いました。 (いがらしみきお)

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私がぼのぼのと出会ったのは小学生の時です。
最初は普通のギャグ漫画としてしか見ていなくて、
スナドリネコさんやヒグマの大将が良いこと言っていても
「なんか難しいこと喋ってるけどよく分かんないなぁ。」と思い、
ギャグのところだけ読んではゲラゲラ笑っていました。
その頃から特に好きだったのが、ぼのぼのの「音」です。
「しゅりんくっ」や「でべでべ」「おぶおぶ」などの効果音がどれも面白くて、今でも大笑いしてしまいます。
今一番好きなのは音は、ガリガリに痩せたシマリスくんが飛ばされた時の「ほえ」という音です。
笑いながら力が抜けました。
あと、毎回登場人物紹介のページが楽しみです。
今回はどんなことが書かれているのかな、とワクワクします。
ぼのぼのの別の面白さに気づいたのは、読み始めて1年程経ってからです。
何気なく最初から読み返してみたら、
「あれ?もしかしてこれってこういう意味?」
と、前回流し読みしか出来なかった部分が面白く思えたのです。
当然まだ分からない部分も多かったのですが、
それも数年後にようやく「こういう気持ちなのかな。」と思ったり、
結構良い歳になった今でもまだ分からなかったり…。
私がぼのぼので一番好きなのは、この部分です。
「今は分からないけれど、いつか分かるようになるのかな。」
と思うと、また読むのが楽しみになるのです。
外見と違い、心の変化は中々自分では分かりませんが、
私が唯一心の変化を確認出来るのは、ぼのぼのです。
子供の頃この本に出会っていて本当にラッキーだと思います。
読む毎に新しい発見があるので何度も読みたくなるし、
この本を読むと安心するのです。
ずっと読み続けていたから、ぼのぼのの住む森を故郷のように思っているのかもしれません。
私はたまに故郷へ帰ると、「ああ、なんか変わったかも。」と感じますが、
ぼのぼのの周りも少しずつ変わってきているように思います。
ヒグマの大将が山から下りてきて、
ダイねえちゃんは結婚して子供を生み、
アライグマくんが旅に出たり、
ボーズくんやコヒグマくんが成長し、
クズリくんのオヤジは老いを嘆き、
シャチの長老様は死んでしまう。
そしてぼのぼの自身も少しずつ変わってきているのではないでしょうか。
周りで起こるいろんなことを見て、
いつのまにか巻き込まれたり、
時には自ら行動を起こしたり。
軸の部分は変わらないまま、
いろんなことを学んでゆくぼのぼのを見ながら、
きっと私も変わってきているのでしょう。
ぼのぼのと一緒に私もこの森で学んでいるんだなと思うと、
いつも少し嬉しくなります。
【優秀賞】
『「ぼのぼの」というものは』 yakkoさん(千葉県)
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誰かの人生とともに歩める作品を描けたなら漫画家冥利につきると思います。yakkoさんはそれを再確認させてくれました。 (いがらしみきお)
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 ぼのぼのが住む森には色々なキャラクターが登場する。いじわるだったり、怒りんぼだったり、恥ずかしがり屋だったり。
 でも何故か全てのキャラクターが愛おしい。
 この森は私達の世界の縮図のようだが、違うのは陰湿ないじめや憎しみ、怒りに溢れ、悲しい知らせが飛び交っていない事。何故この森のようにいかないのか。
 漫画だから当たり前だ。そんなものは作者の加減次第でどうにでもなると言っているのを聞いた事がある。
 私は少し違うと思う。どの漫画も描いているのは人間だ。その人の想いの一部が表現されているのだ。それに一喜一憂しているそんなところに希望を見たりする私は変わり者だろうか。
 ぼのぼのを読むようになったのは、正直あまり覚えていないが中学生の頃だった。
 何故か途中の巻を読み、惹かれ、遡って一巻から揃え、今では発売日に購入し、読破している。
 そんなぼのぼのを遡って購入し始めた頃、思い出した出来事がある。
 小学校低学年の時に、校庭の片隅に落ちていた消しゴムを何気なく拾い、書かれていた言葉を読んだ。
「ぼの…ぼの?」
 聞いた事が無い言葉と青色の動物が2匹描かれていたその様子に、
「これ間違ってるよねえ?」
 と友達に声を掛けた。
「〝ほのぼの〟の間違いだよねえ。これ〝ぼのぼの〟って書いてあるよ」
 何気ない数分の出来事が蘇り、「あぁ…」と、声には出さなかったが、惹かれた理由が分かった気がした。
 〝ぼのぼの〟で間違ってはいなかったが、そこに並んで立っていたぼのぼの親子は〝ほのぼの〟で合っていたと思う。
 ここ数年、特に涙もろくなった私はぼのぼのに泣かされっぱなしだ。その中にも温かい笑いがあって、胸が熱くなる。
 読んでいる姿をとてもじゃないが人には見せられない。泣きながら笑っている三十過ぎの女が一人。怖すぎる。
 読み終えて、気持ちが落ち着いた頃、
「夕飯よ」
 との母親の声に返事をし、現実へと私の住む世界へと戻っていくのだ。
 読み終えた後の気持ちは心安らかだ。スナドリネコさんのように「あぁ、何もなかった」と思った時にきっと似ていると思う。
 そして、こんな私の日常も、世界を満更でもないと思わせてくれるのだ。
 おーい。ぼのぼのを見つけた小学生の頃の私!でかした!人より少し心豊かな人間になれているはずだ!

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